それぞれの2022シーズン。オフェンス編

それぞれの2022シーズン。オフェンス編

(QB1)Tua Tagovailoa

13試合出場(途中退場があるので実質12試合)、259/400(64.8%)、3548yds、TD25、INT8

17試合フルに出ていたとして換算すると、5000yds弱、TD35、INT11くらいになるペースでした。バローと大体一緒。健康って大事。

3年目にしてようやくまともなコーチに教わることができ、WR10ヒルの加入もあって、やっと期待に応える活躍ができました。シーズン序盤はね。その後、途中WEEK4-6は休んだものの、戻ってきてからのWEEK7-11も良いプレーを見せられました。

しかし、WEEK12のSF、WEEK13のLACに粉砕されました。プレスカバーと速いパスラッシュの組み合わせに弱かったようなのです。MIAのチームとしてのツアが出たら勝つという連勝も止まり、ツア本人も壁にぶつかって、さらに進化できるかという段階に移りました。

しかししかし、そこで脳震盪が再発。そのまま残り4試合を欠場し、シーズンエンドとなりました。

一応は医師団から、今シーズンの脳震盪は今後のプレーに影響はないというような診断を受けました。しかし、今後も常に脳震盪の怖さが付き纏うのは否めません。次に重度の脳震盪をやったら、本当に引退すべき状況にもなるかもしれません。

そのような状態の選手をチームの中心に据えるのはリスクが大きいので、理屈で考えたら避けるべきでしょう。とは言え、簡単に諦めてしまうのももったいないプレーをしたのも事実です。

結論として、ドラフト権もなくキャップスペースも潤沢ではないため、フランチャイズQB候補をあらたに獲得するチャンスのない来シーズンは、とりあえずツアで行くべき、となりそうです。無防備なサックを減らすために投げ捨てや受け身を習得できるか、チームとしてリスクのあるQBで上手く戦えるのか、といったことを見極めて、2024シーズン以降の方針を決めることになるでしょう。

もちろん、SFとLACにやられたツア対策に対応して成長できるかという点も問題です。結局のところ、ツアってどうなんだろ、大丈夫かな、と思いながら見るシーズンが来年で4年連続になるわけです。そろそろ落ち着いて見たいものですね。

(QB5)Teddy Bridgewater

ツアの健康はシーズン前から不安視されていたので、ブリッジウォーターを控えとして獲得したときには、ツアが休んでもそこそこ試合になると喜びました。ブリッジウォーター本人も、ツアが怪我したらスターターで出てー、そのまま定着しちゃったりしてねー、とか考えていたかもしれません。

が、思った以上に何もできなかった。しかもすぐ怪我した。来年はまたどこかで頑張って。

(QB19)Skylar Thompson

プレシーズンではいい動きを見せたのですが、あれは相手もロスター生き残りギリギリくらいの選手だったからなのか、それとも限られたプレーだけ練習してたから上手に見えたのか、その両方なのか。ツアとブリッジウォーターが怪我して出番が回ってきたときは、これで大ブレイクしたら面白いと思いました。

が、思った以上に何もできなかった。空いているレシーバーを見つけられず、見つけられても投げ込む度胸がないのか、パスラッシュにびびってまず逃げちゃうのか、タイミングを逃してしまいました。また、ハドルを組んでからプレーを開始するまでが遅く、じわじわをチームを不利に追い込む傾向もありました。

まだゆっくりとなら成長する可能性もあるかもしれないし、来年またスカウティングチーム要員として頑張っていただきたいところではあります。

(RB31)Raheem Mostert

移籍&怪我からの復帰シーズン、やっぱり怪我がちでちょくちょく休んでるイメージがありましたが、実は16試合出ていました。常にクエスチョナブルってだけか。

ラン:181キャリー、891yds(平均4.9yds)

パス:31キャッチ、202yds

十分な成績です。常に怪我しそうなところ、軽く怪我してるところが、不安というか依存できないところではありますが。来年も頑張ろう。

(RB23)Jeff Wilson Jr.

SFからシーズン中に移籍してきました。SFがマキャを取ったことで溢れたような形だったのでしょう。

SFで8試合、ラン92回、468yds(平均5.1yds)

MIAで8試合、ラン84yds、392yds(平均4.7yds)

MIAに来てからの方が成績が若干落ちていますが、原因はOLの差と、3試合ほど怪我しながらのプレーだったことと、OLの差と、OLの差が挙げられそうです。

とはいえランでは十分貢献できました。モスタートと2人とも怪我がちなのが怖いところですが、スナップを分け合って元気に過ごしていただきたいところです。あとパスのポロリ減らして。

(RB3)Myles Gaskin

出場2試合、ラン10回、26yds

今年はずっと怪我していた印象です。来年は出られるかなあ。

(RB26)Salvon Ahmed

出場6試合、ラン12回、64yds

特にシーズン終盤、モスタートとウィルソンが満身創痍になったときに穴を埋めていた気がします。来年はシーズン通して出場機会を勝ち取って、モスタートとウィルソンの負担をさらに軽減できると良いな。

(WR10)Tyreek Hill

RSで170キャッチ1710yds。シーズン前半は2000ydsに届くかというペースでしたが、ツアの怪我あたりから不安定になり、最後の4試合は合計250ydsで終わりました。まあヒルではなくチームの問題での減速なので仕方ない。

KC時代は通常のプレーはもちろん、マホが逃げ回ってる間にヒルがフリーになってなんかビッグプレーしちゃうというイメージだったので、その再現がなさそうなMIAでもきちんと機能するんだろうかという不安もありました。しかし、決め打ちのぶん投げでもKC時代と同じような結果になり、あらためておかしいレシーバーだと証明されたような気がします。

来年は2000ydsと言いたいところですが、それなら他の選手の底上げができた方がいいのかな。

(WR17)Jaylen Waddle

75キャッチ1356yds。平均18.1ydsという極端な役割になりました。それでも若干ツアのパスが短めのことが多く、競り合ったりジャンプしたりしてキャッチする場面が多かった印象だったなので、本来はもっとRACが稼げたはずだとも思えます。

来年はもっと役割を増やせた方がいいんでしょう。あとはたまにポロリすると、その後のプレーにも影響する感じが心配です。そして気負って無理して怪我するパターンなので、メンタル面の強化もよろしく。

(WR11)Cedrick Wilson Jr.

DALからの移籍。WR3としてそこそこの活躍が期待されましたが、全然目立ちませんでした。15試合で12キャッチ136yds。シーズン後半はパントリターナーとしてしかほとんど見なかった。

契約は後2年残ってるしお値段も高くないので来年もいるだろうけど、もう少し使い所が見つかるといいね。

(WR14)Trent Sherfield

ウィルソンに期待されていた役割を担ったのが、このシェフィールドだった感じです。SFからHC人脈で移籍。去年は17試合で9キャッチ87ydsと地味な成績だったので、今年もそんなもんかと思っていたら、17試合で51キャッチ417ydsと、WR3としての位置を掴みました。

システムを知っていたこと、意外と瞬間的な加速があったことが武器になったのかな。しかも今年の給料1Mだったらしい。ぜひ2年5Mくらいの契約を勝ち取っていただきたい。

(WR85)River Cracraft

こちらもHC人脈でのSFからの移籍組。去年の成績はシェフィールドと変わりませんでしたが、あちらはブレイク。こちらは変わらず、といった感じ。でも妙にエンドゾーンで強く、TDは2つ。来年も生き残る、かな。

(WR18)Erik Ezukanma

今年のドラフト4巡。足が速いらしい子。しかし出場はワイルドカードの1試合のみ、1キャッチ3yds。基礎体力づくりのシーズンとなりました。来年頑張れ。

(WR86)Braylon Sanders

今年のドラフト外ルーキー生き残り組。そこそこ速く、そこそこ競り合えて、そこそこキャッチも上手。地味に働くタイプに成長すればいいなという印象だったのですが、ようやく出番が回ってきた試合のプロ初ボールタッチで、初キャッチ初ファンブル初ロストを一度に記録するという派手なデビューを飾ってしまいました。その試合だけでクビにならなくてよかった。

(TE88)Mike Gesicki

52キャッチ362yds、去年の半分以下です。ただしTDは去年の2から5に増えました。

シーズン前から新しいシステムとの相性が悪い説はありましたが、確かにそうかもしれないな、という結果に終わりました。今までのようにスロットにセットすることが減り、これまで練習したこともあまりなかったであろう本来のTEの動き、ブロックやブロックしてからのリリースなどが求められ、苦労していた印象です。

とはいえ、本人もやる気がないわけではなく、チームも使う気がないわけではなさそうでした。ただ、パスプロが持たない中で素早く投げなければならず、確認する優先順位の低いプレーの多いTEの出番が回ってくることが少なかった感じ。SFくらいパスプロが持てば、またキトルだけ空いてるわーの再現が、KCくらいツアが逃げられれば、ほらケルシーのカバー持たないわーの再現が可能であろうとは思われます。ゴール前でゲシキの優先度が高いプレーではよく使われてTDが増えたことも、使おうと思えば使えるということでしょう。

上手く使えれば、そしてゲシキがフリーになるまでもつパスプロが構築できれば、強力な武器になるのは間違いありません。しかし、それができるかが問題。あとお給料も問題。今年はタグつけて働いてもらっていたので、契約延長となるのか、もう一度タグつけてからトレードになるのか、来年どうなるかわかりません。本人パリピだからマイアミにいた方がいいと思うんですけどね。

(TE81)Durham Smythe

20キャッチ129ydsと、ゲシキと同じくパス成績は去年の半分以下になりました。しかし、TEのブロックを重視するシステムになったことで、出場プレー数は増え、重用されていたような気がします。

真面目にきちんとブロックできるし、プレーアクションでのターゲットにもなる。スニークもできる。渋い存在として来年も頑張って。

(TE84)Hunter Long

ドラフト3巡2年目。去年も今年も大体怪我していてあまり試合には出ていないという印象です。あとポロリする。来年戦力になるかなあ。

(TE80)Tanner Conner

今年のドラフト外ルーキー。プレーシーズンで良かったので期待したけれど、ほぼ怪我してた。まだ体づくり中かな。

(TE82)Cethan Carter

TEというよりはスペシャルチーム要員のベテラン。わりと早い段階で脳震盪を理由にIR入りしてシーズンが終わった。確かまだ契約残ってるんだけど、来年どうするんだろ。

(FB30)Alec Ingold

絶滅危惧種フルバック。ランは6回8ydsと少なかったが、パスでは15キャッチ105ydsと意外と目立ちました。ポロリも目立ったけど。

それよりもやはりブロッカーとして地味ながらきちんと仕事していたのでヨシ。

(FB46)John Lovett

インゴールドが開幕の頃に怪我していたこともあって、バックアップとして取ったFB。でもいつの間にか怪我して1年間プロリハビリストしてた。動いているのを見た記憶がない。

(LT72)Terron Armstead

今年のFAの目玉として獲得したLTです。実力も評判の通り、試合に出ている間は非常に頼れる存在でありました。

試合に出れば。

基本的にずっと怪我していて、練習もほとんどできず、試合に出るのかも当日までわからない。でも出ればちゃんと仕事する。ただし試合中でもふらっとどこかに消えてしまう。また出てくればきちんと働く。

計算できない。来年は全スナップ出てくれ。

(LT75)Greg Little

アームステッドが休んだ時にLTに入りました。元ドラフト2巡の実力を見せてくれ、そこそこ安定していました。

しかし、そこそこ働ける元ドラフト2巡の選手がルーキー契約中にジャーニーマン化してるのには理由がありまして。この子もすぐ怪我するの。

すぐ怪我する選手の控えがすぐ怪我する選手って、全然計算できないじゃん。来年もこの体制なのかな。

(LG74)Liam Eichenberg

ドラフト2巡2年目。RTもできるということで指名されたがLTの方が上手くて、とはいえスターターを任せられるほどではないので今年はLGになりました。意外と適性はあったようで、出ている間は役割をこなしていた印象があります。しかし、シーズン中盤にIR入り。

(LG65)Robert Jones

アイケンバーグの怪我で試合に出るようになりました。非常に好意的に甘く見てぎりぎりNFLで試合に出られるレベルという感じ。とはいえシーズン前から控えとして練習してきたし、他のOLが控えの控えの控えなどになって崩壊し尽くしていたので、まだマシじゃないかと思えてしまった。本当はダメなのに。

(C58)Connor Williams

DALのドラフト2巡で4年経ちFAになってやってきました。プロではGしかしていなかったらしいのですが、今年はCへコンバート。スナップ以外は良い感じにこなしていました。怪我もしなかったし、OLの中で一番の優等生。来年はスナップも安定させてよろしく。

(C63)Michael Deiter

ドラフト3巡の4年目。GやCでスターターを目指して練習するものの、いつの間にか怪我してフェードアウトしている子。今年も同じだった。

(RG68)Robert Hunt

ドラフト2巡の3年目。とりあえず頑丈で全試合出られたのはえらい。しかし、押す力は強いみたいなのですが、ブリッツやスタントに対応するのが絶望的に下手で、ツアがサックされている横でぼんやり佇んでいたのを何度見たことか。隣のCはともかく、RTはシーズン中に替わりまくったので、コンビネーションの問題もあったのかもしれません。いや、それにしても。来年もまだいるだろうけど、上達するかな。

(RT73)Austin Jackson

ドラフト1巡の3年目。LTでは問題が多かったため、RTにコンバートされました。全体的に、1巡で取ったのかーと思ってしまう出来のことが多く、1巡で取ったのかーと思ってしまうくらい怪我が多い。つまり、1巡で取ったのかーってなる。

来年よほどの進化を見せなければジャーニーマン化するでしょうけれど、伸びそうにないんだよなあ。

(RT71)Brandon Shell

シーズン中にOTが足りなくなってどこかから拾ってきた。パスプロ崩壊。

(LT76)Kion Smith

シーズン中にOTが足りなくなってどこかから拾ってきた。パスプロ崩壊。

(RG66)Lester Cotton Sr.

シーズン中にOLが足りなくなってどこかから拾ってきた。パスプロ崩壊。





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