[イルカ観察日記]番外編。NFLファンとXリーグ

[イルカ観察日記]番外編。NFLファンとXリーグ

NFLブログのアドベントカレンダー企画にお誘いいただきましたので、普段と違うことを、と思い、Xリーグについて書いてみることにしました。
ちょっと煽るような言い方になる部分もあるかとは思いますが、関係者の皆さまもお許しください。また、自分自身さほど詳しくもないので、詳細間違っている点があれば教えてください。

NFLファンと、日本のアメフトを観ている人って、意外と重なっていなくて。確かにNFLを見慣れると、日本のアメフトでは物足りないと感じることも多いでしょうけれど、それはそれ、メジャーリーグばかり見ている人でも高校野球は面白いと感じることだってあるわけで。
たまにはいかがでしょうか。と言いつつ、僕も各大会の決勝くらいしか観ないんですが。

■Xリーグに変化の兆し
まず、Xリーグとは、日本で一番レベルが高い、社会人リーグです。以前は大学と力が拮抗していたこともありましたが、ここ10年くらいは最高レベルと言い切って良いくらいに離れたかな、という印象。

そして、ここ数年、大きな変化が起こってきています。
Xリーグの中でも優勝争いをするトップチームが、アメリカ人QBを招致し始めたのです。これでまた一段階リーグのレベルが上がりました。アメリカ人QBとかずるくないか、つまらん、という人もいるのですが、NFLだってQB次第で別のチームのようになったりするのですから、そこは楽しみと捉えたい。
というわけで、代表的な選手たちを紹介。

■ケビン・クラフト
所属:IBM
出身:UCLA

外国人QBの草分けになったのが、このケビン・クラフトです。2012年から日本でプレー。
UCLAでスターターを張っていたQBで、NFLには行けなかったものの、その後はフランスや日本でプレー。一人アメフト伝道師として活動しています。
さすがに最初はビビった。すげえのが来た、と思った。
噂では、最初の年はパスが強すぎてレシーバーが取れなかったほどだとか。しかし2年くらいたつと、チーム全員のレベルを引き上げるように。かつての箱根駅伝における山梨学院大学のように、IBMは一躍優勝争いをするようになったのです。

■コービー・キャメロン
所属:富士通
出身:ルイジアナ工科大

現マイアミ・ドルフィンズ、以前所属していたクリーブランド・ブラウンズではプロボウルにも出たTE、ジョーダン・キャメロンの弟。スポーツ一族のサラブレッドです。
2013年、大学を卒業して、ドラフトにはかからなかったものの、パンサーズのキャンプに参加。最終的にはロスター残れず、まだアメリカでプロを目指す道もあったでしょうけれど、2014年から日本でプレーしています。
言い方はアレですが、IBMはケビン・クラフトが来るまでは優勝争いには加わらないチームでした。しかし、富士通はもともと自力のあるチーム。そこにキャメロン。おいおい、と思いましたよ。
ときどき怪我したり、決勝で調子が悪かったり、ブレイクしきれない面もありますが、やっぱりすごい。

■デヴィン・ガードナー
所属:相模原ライズ
出身:ミシガン

2015年ドラフト外でNEに招かれてキャンプに参加。QBとしてだけでなく、WRにも挑戦して頑張ったのですが、カット。その後PITが拾って、夏のキャンプではQBとWR両方の練習をしたそうです。しかしロスターには残れず。今年、2016年に来日。
ミシガン出身のQBですから、ブレーデー様の後輩。ブレーデー様がドラフトにぎりぎりひっかかって今ではあんなですから、ドラフト外とはいえ、ポテンシャルに大差はないんでしょう。さらに、でかいし、98番をつけていることもあり、WRだけでなく、DEもできるんじゃないかというアスリート。
今年は準備不足もあったのか、なかなか噛み合わず、勝ちに結びつかなかったようですが、来年も日本に残れば、さらに良いプレーが見られるはず。

■ジェリー・ニューハイゼル
所属:シーガルズ
出身:UCLA(控え)

埋め込み拒否とのことなのでリンクです。
https://youtu.be/T19WcuSDJFA

上記2人とはちょっと違って、大学ではエースではありませんでした。NFLにも縁はなさそう。しかし、父親が元BALのOCや、UCLAのHCを歴任した人で、彼自身も将来コーチになることを目指しているとのこと。その中で、日本での経験も役立つに違いない、という長いキャリアを意識した選択での来日だそうです。
シーガルズも、ニューハイゼルに頼り切ることなく、日本人QBたちと併用して、相互効果を狙っているような使い方。総合力で勝負するチームで、高いフットボールIQがさらに高まるか、チームがどう変化するか、日本特有で面白い実験になりそうです。

■メイソン・ミルズ
所属:シルバースター
出身:サンディエゴ大学

UCAAの2部にあたる大学だそうで、エリートというほどではないのかもしれませんが、やっぱりすごい。
2015年から日本でプレーしていて、ここしばらく優勝争いから若干後退しているシルバースターの起爆剤となれるかどうか、という感じ。

■Xリーグ決勝、JXB
そして昨日、12月12日、決勝戦Japan X Bowlが行なわれました。
対戦は、富士通vsシーガルズ。

会場の関係上、常に月曜開催という辛い設定なのですが、毎年安定して2〜3万人は集まります。個人的には月曜だとNFLと重なるから避けて欲しいんですけどね。
アメリカ人QBがいるチーム同士の対戦になりましたが、かなり締まった(地味な)試合でした。個人的には好きな展開。ゴリゴリしたプレーが多く、試合時間が1クォーター12分というのもあいまって、非常に短く感じました。

youtubeにはダイジェストしかないようですが

そのうち公式にも上るかな…

http://www.xleague.com/movie/

東京ドーム現地では、審判のアナウンスの音が小さくて反則がなんだかわからなかったり、リプレーがでないからtwitterでテレビ観戦組が盛り上がってるプレーがなんだかわからなかったり、9時を過ぎると空調が切られるのかドームが急に寒くなったり、ハーフタイムで客数を読み間違えたタコ焼き屋の生産が追いつかず諦めざるをえなかったり、いろいろ問題は多いのですが、やっぱりライブ観戦は楽しいものです。
客席も、企業チームらしく動員力がある富士通は人数で勝り、対するシーガルズは観戦慣れしている人が多く、ともになかなかのクラウドノイズでした。連敗中のマイアミよりはうるさかったと思う。

■ライスボウル
そして、毎年1月3日には、Xリーグの優勝チームと、大学日本一チームとが試合をします。それがライスボウル。最近は学生が社会人に挑戦する、という雰囲気になっていますが、正月気分で東京ドームというのも良いものですよ。





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1件のコメント »

  • Xリーグ寄りNFLファンです。
    外国人QBをここまでまとめていただきありがとうございます。
    大変読み応えのある記事でした。

    個人的には、もうロースターの半分は外国人でいいんじゃないかと思うんですよね…。
    よくスポーツ記者が外国人枠を、なんて、書きますけど、そもそもアマチュアスポーツですし(日本では)。
    外国人が多数を占めるようなレベルの高いリーグで、頭角を表すような日本人が出てこないと、到底NFLには届かないのでは、と思うのですよ。NFLEもないし。


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