ドラフト前に書き留めておかねばと思ったことを。
今シーズン、HCとGMが両方替わり、心機一転して再建期に入ったドルフィンズです。
誰ですか常に再建期とか言ってるのは!
いや、確かにその通りです。昨シーズンで、ひとつの再建期が終わったのです。
では、前回の再建期とはなんだったのでしょうか。そのGMクリス・グリアーを中心に振り返ってみます。
前再建期のGM
クリス・グリアーのキャリア
ドルフィンズの前GMは、クリス・グリアーという人でした。
キャリアの初めはパーセルズ時代のNEなので一応NE流と言えるかもしれないのですが、2000年からMIAに所属。その後、じわじわと出世し続け、2016年にGMにまで上り詰めました。2025年まで、実に10年もGMに就いていたことになります。
その間のドルフィンズはというと、HCが3人替わりました。
2016年から2018年はアダム・ゲイス。
2019年から2021年はブライアン・フローレス。
2022年から2025年はマイク・マクダニエル。
地区優勝ゼロ。ワイルドカードでのプレーオフ進出3回。プレーオフでの勝利ゼロ。
何より、2019年に始まった前回の再建期が大失敗でした。その結果、クビ。
アダム・ゲイス期
2016年に就任したHCのゲイスは、オフェンスの天才という噂でした。実際は、DENでのOC時代のQBが兄者だったことで誤解されていただけでした。
さらに際立ったのがコミュ障っぷり。チームに呼ぶ選手は、以前どこかで同僚だった知り合いばかり。コーチたちとは話せもせず、サイドラインにひとりでポツンとしている姿が印象的でした。
ゲイスには人脈も、人を見る目も、仲間を増やす力もなかったのは確かです。しかし、その間GMはなにしてたんだ。なにもしていなかったように見えました。
前再建期の経過
ブライアン・フローレス期
2019年から前回の再建期が始まります。ここから、グリアーがようやくGMとしての仕事を始めたような気がします。いや、してなかったかも。
まず、チームを解体。焼け野原にしました。主力を大放出して大量のドラフト権を得ます。
2020年ドラフトでは1巡を3つも持っていました。
ここまではGMっぽかった。
しかし、誤算だったのはフローレスが頑張りすぎたこと。削りに削った戦力で5勝もしてしまいました。シーズン開始時にはドラフト全体1位の獲得は確実とまで言われていた戦力で5勝。すごいことですが、チームの方針とは合ってなかった。
その結果、2020年ドラフトの目玉だったQBバローを逃しました。
そして2021年のシーズン後、フローレスはクビになります。
直接の理由はパワハラ的チーム運営。特にオフェンスをないがしろにしすぎた感がありました。それで勝ててれば問題はなかったのでしょうけれど、ぎりぎり勝ち越しくらいでは槍玉に挙げられても仕方ないかとは思われます。
しかし、ここでもGMは役に立っていなかった。フローレスの暴走に釘を刺すこともできず、まともなOCを探してくることもできず。なにしてたんだろ。
マイク・マクダニエル期
フローレスはクビになったものの、2019年に開始された再建計画は継続されました。選手は大きく替えず、HCだけを替える形で2022年に就任したのがマイク・マクダニエルです。
フローレスの恐怖政治から解放されたオフェンスが、のびのびとプレーしたのが印象的でした。スキルポジションをマクダニエル好みに大幅に強化して、スピードと相手を混乱させるプレーを武器にプレーオフに進出。すぐ負けたけど。
翌年の2023年もプレーオフ進出。すぐ負けたけど。
そして、2024年は負け越し。さらに、2025年はシーズン序盤から噛み合わず、後半は粘ったものの負け越し。解雇となりました。
とはいえ、マクダニエルはGMのダメさの犠牲者と言えるとも思えます。チームの土台ができているところに急遽呼ばれて、その土台がガラガラと崩れていったのです。
2025年にチームの成績が低迷しGMが先にクビになっても、マクダニエルはシーズン終了まで続投を検討されていたのは、やはりみんな責任はGMにあると思っていたからでしょう。まあ、その信頼もシーズン終盤のマクダニエルには感じられなくなったわけですが。
前再建期の失敗
そもそも2016年から2018年の第一期の失敗で気づいてGMを替えておくべきだったと今は言えるのですが、2019年からの第二期にもたくさんの失敗がありました。
ドラフトの失敗
2019年に劇的な解体をして、ドラフト権を集めるところまでは良かった。2020年のドラフトでは1巡3つ、2巡2つ、3巡1つ。2021年は1巡2つ、2巡2つ、3巡1つ。たくさんあったなー。
しかし、これらのドラフト権で指名した選手の中に大当たりはいませんでした。いませんでした。いませんでした。
当たりはWRワドルくらいかな。わりと当たりはOLBフィリップスとFSホランド。下位での当たりも全然いなかった。
ルーキー契約が終わってもチームに残っていたのはQBツアとOTジャクソンだけかな。ツアももういないし、ジャクソンも今年スターターかと言われると微妙だしね。
契約の失敗
ドラフト指名の失敗に加えて、契約の失敗も失敗で、つまり失敗がたくさんで合わせて大失敗なのでした。
明らかに耐久性に不安しかないツアにアホみたいに保証するし。ヒルには年齢的にもピークを過ぎるだろうころにアホみたいに金額大きくするし。耐久性と年齢の両方とも不安なチャブも(以下略)
そんなこんなで実に182Mのデッドマネーを残して、GMは去ったのでした。
また、ドラフトそこそこ当たりだったFSホランドやOLBフィリップス、まあスターターに定着できそうなGハントと延長できなかったのも、交渉下手やりくり下手っぷりを露呈していました。
パッチワークの失敗
再建期開始時の計画は、2019年に解体、2020年と2021年にドラフトした選手たちを中心にして、そのルーキー契約中の2024年、引っ張っても5年目オプションが使える2025年にスーパーボウルを目指すというものだったと思います。それに合わせてFAで大型補強もしました。
しかし。ドラフトは当たらない。FAは怪我する。しかもHCまでオーナーと喧嘩してクビになる。
そりゃ世の中、計画通りに行くことなんてほとんどありません。でもズレが大きすぎたのよ。しかも、その修正も下手だったのよ。
勝負の年になるはずだった2024年と2025年には、どんどんチームがダウングレードしていく様子を見せられ続けたのでした。
そしてまた再建期
何度タイムリープしても再建期になっちまうならまだしも、着実に時は進んでいるのに再建期を繰り返すのはどういうことでしょうか。2026年、また再建期です。
しかし、今度は前回のように4年でピークを持っていくような計画ではなく、まず強い土台を作ってからという姿勢のように感じます。

堅実派GM
新しいGMは、Jon-Eric Sullivan。70年代のNYパンクにいそうな名前だけど、GBで経験を積んでの初GM就任です。GBらしく、ドラフトを重視して着実にチーム作りを進めるものと思われます。
今年はさっそくドラフト1巡2つ、2巡1つ、3巡4つ。当てろよ。
統率型HC
新HCは、Jeff Hafley。GIジョー人形みたいな雰囲気、真面目そう、怖そう。ゆるふわなドルフィンズの雰囲気に合うか不安になるけれど、しっかりした統率型っぽい人です。
ディフェンス出身。それほど複雑なスキームを使うわけでもなく、素早い判断と動きで止めるような感じらしい。
今年は前GMのケツを拭くために金がぜんぜんないので、FAでは動けませんでした。駒の足りない選手層にルーキーたちを加えた状態で、どこまで組み立てられるかわかりません。
でも、数年かけて積み上げていければいいやということで、今年は広い心で見ていられます。ピース。
育成型OC
HCがディフェンスのプレーコールもするということで、オフェンスはOCに丸投げに近くなるでしょう。それを任せられたのが、Bobby Slowikです。
去年はMIAでパス担当コーディネーターをしていたので内部昇格とも言えますが、どちらかというと2023年と2024年にHOUでOCをしていた経験が買われたっぽい。2023年のHOUは、ルーキーQBストラウドが上手くいき躍進、地区優勝してディビジョナル・プレーオフまで進んだアレです。
スピードヤッピーだったマクダニエルとは違い、わりと堅実にドライブを進めるプレーが多く、慣れないQBでも判断しやすいようにデザインするようなイメージ。それが、MIAにきたるべき若いQBを育てるという使命に合うとされたのでしょう。マリク?誰それ?
HOU時代は行き詰まりが問題となってOCをクビになったような雰囲気ですが、その後マクダニエルのヤッピーエッセンスを加えて進化してるかもしれない。もしくは、またQBを育成するための踏み台になってくれるだけでも構わない。
リスクとしてのオーナー
ゆっくりかもしれない、でも確実に強くなるんだ。そんな思いがHCとGMからは感じられます。
しかし、それを邪魔する奴が現れるかもしれません。
オーナーです。派手好き、短気、選手に甘い。GM流とは正反対の習性。
フローレスのときのように、あっさり投げ出さなければいいのですが。
さあ、ドラフトは明日から。


