[05]05(2)2ディープ
じゃーさー、どうせさー、マン・ツー・マン・カバーの弱点を克服したのがあるんじゃろ?
うん。ゾーン・ディフェンスっていうのがある。
やっぱりー! 内緒にしてるなんてズルいじょー!
で、どういうの?
フィールドをいくつかのゾーンに区切って、ディフェンスの選手それぞれが受け持つ場所を決めて守るっていうのが、ゾーン・カバーってやつだよ。
それぞれの選手が、自分が受け持つゾーンに入ってきた相手レシーバーをカバーするってやりかた。自分のゾーンから出て行くレシーバーは隣のゾーンを担当している味方選手に任せるわけね。
マン・ツー・マン・カバーに比べると、1人の選手が守るフィールドの広さが限定されるから、レシーバーに大きく離されちゃって置いてけぼりーってことが少なくなるよ。
ゾーン・カバーのなかで、ディープ・ゾーン(だいたい10~15ヤードより深い部分)を2人のディフェンス(ほとんどの場合はセーフティーの2人)が担当するのが2ディープ。
アンダー・ゾーンに5人のディフェンスが配置される。そのため、短いパスに対応しやすい。それから、両CBがLOS近くで待ってるから、外側へのラン・プレーにも強くなってるよ。
いいねー!これでもう完璧だねー!
それはどうかな…
2ディープは、名前の通りロングパスを守ってるディフェンスは2人だけなんだ。だから3人以上のレシーバーがディープ・ゾーンに走ってくるとカバーしきれない選手ができちゃうね。
それから、ゾーン・カバーに共通のデメリットもあるんだ。
ゾーン・カバーだと、各ゾーンの境目の部分、つまりディフェンスの選手が散らばった中間点っていう弱点がオフェンスから見えやすくなるんだね。
特に2ディープの場合、セーフティーの間とか、サイドラインぎわとかが守りにくい。
赤丸の部分が特に狙われやすいんだ。
それに対応するために、ILBが普通よりも深く下がったりすることもある(これはタンパベイ・バッカニアーズにいたときにトニー・ダンジーが使い始めたってことで、ツー・ディープの中でも特にタンパ・ツーって呼ばれたりする)。
サイドラインぎわはセーフティーが追いつくのが難しいから、WRがそっちにいったときはCBがついていくっていう場合もあるよ。
あとは、ゾーン・カバーだと、たいてい7人でパスを守るから、パス・ラッシュができるのは4人になっちゃう。ブリッツはあんまり使えないね。
えー…これでもダメなのか…
いろんなやり方があって、それぞれに強いところと弱いところがあるんだよ。それをいろいろ使い分けるから面白いんだろうが。
頭つかえー。
わかりました…
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