ルール解説

[04]02(11)ウィッシュボーンとヴィア

さて、ここでちょっと歴史を戻しまして。スプリットTってフォーメーションを改良していって、やがてプロ体型にたどりついたんだったよね。

そうだっけー

そうなんだよ。

でもその同時期、1960年代に、もう1つの改良の方向があったんだ。その流れのひとつがウィッシュボーン・フォーメーション。

ウィッシュボーン・フォーメーション

スプリットTでは横に一直線に並んでいた3人のRBを、ちょっとずらして配置したただけに見えるね。FBはLOSから3~4ヤードのところに、2人のHBはそれよりも少し後ろに配置されているよ。

このY字型がウィッシュボーンみたいだからっていうところからきてる名前なんだけど、ウィッシュボーンって知ってる?

フランス語っぽい!

うぃ、しゅぼーん♪

お前に聞いた俺がバカだったよ。

ウィッシュボーンっていうのは鶏とかターキーの肩から胸のところの骨のことなんだ。

こういうやつね。

ウィッシュボーン

アメリカでは丸焼きを食べた後で、2人がこのY字型の骨の長い方2本(鎖骨みたいなもんかな)をそれぞれ持って引っ張り合って、折れたときに短い方(胸の骨)がついてきた方の願いがかなう、なんていう願掛けみたいなのがあるんだ。

せーの、ポキ、ってやる。

ウィッシュボーンを割る

それでその骨の事を、願いがかなう骨、ウィッシュ・ボーンって言うらしい。日本じゃなじみがないね。丸焼きなんてほとんど食わないし。

蛙の、肉の、味は、鶏肉に、近い、らしいよ

いま鶏の骨の話してたよな…?

俺は登場キャラ減った方が楽だけどなー。

さて、このフォーメーションは、トリプル・オプションをやるためにRBの位置をずらしていってできたものなんだ。1つのプレーに特化したフォーメーションってことだね。

トリプル・オプションっていうのは、スナップを受け取ったQBが、
・HB(その1)にボールを渡すか、
・自分で持って走るか、
・HB(その2)に渡すか、
という3つのオプション(選択肢)から展開を選ぶプレー。プレーが始まってから、ディフェンスの動きを見ながら、実際のボール・キャリアーを決めるっていうのが特徴だよ。

後でまた詳しく見るけど、トリプル・オプションを図にしたらこんな感じね。

ウィッシュボーンからのトリプルオプション

QBか、ふたりのHBか、だれが実際に最後にボールを持って走ることになるかってのはプレーがはじまってみないとわからない。ディフェンスの動き次第で変化させられるから、どんな守り方をされても、ある程度リスクが分散できるプレーだよ。

ヴィア

で、この発展の流れの中で、さっきTフォーメーションのところでちょっとでてきた、ヴィアっていうフォーメーションが再登場でーす。

これは実はウィッシュボーンからできたフォーメーションだったんだねー。

RBを2人に減らして、プロ・フォーメーションでトリプル・オプションをするための改良型ってことだね。2人のRBが左右のHBの位置にいる。

ヴィア・フォーメーション

ウィッシュボーンに比べると、FBがいない分だけブロッカーは減ってるけど、だいたい同じ考え方でトリプル・オプションができるよね。

ヴィアからのトリプルオプション

さらに最近では、QBをショットガン・フォーメーションみたいに後ろに下げて、ピストルって呼ばれるフォーメーションに変化したりもしてる。そこからオプションをやったりするんだ。

でもいまでは、プロ体型でのヴィアはこの最初のコンセプトとは違ってきて、Tフォーメーションのバリエーションっぽく見られるかな。
RBが2人とも外側にいるからパス・コースに出やすい、また外側からのディフェンスのパス・ラッシュをブロックしやすい。そのため、プロ体型の中でもパス・プレーがやりやすいんだね。

ウィッシュボーンも噛み砕きたいほどに腹減った!