ドルフィンズの2023シーズンまとめ
■結果
レギュラーシーズン:11勝6敗
WCプレーオフ:1敗
■展開
シーズン前半は6勝2敗。70点取った試合なんかもあり、派手な序盤でした。
ドイツでの試合(負け)とバイウィークを挟んで、
シーズン後半は5勝3敗。特に厳しかった最後の3試合で2敗して、予想通り地区優勝を逃してレギュラーシーズンが終了しました。
■内容
・後半の息切れ
前半8試合は平均得点が33.8点、後半8試合は26.1点。
・弱いチームに勝ち、強いチームに負ける
プレーオフ進出チームとの対戦:1勝5敗
プレーオフに出ていないチームとの対戦:10勝1敗
非常にはっきりしていました。取りこぼしは1試合しかなかったとも言えますが、プレーオフで勝ち抜ける、地区優勝できるほどの実力ではなかった、というところなのでしょう。
■If Healthy
今年のドルフィンズは強いかもしれない、もし怪我がなければね。と、開幕前から話題でした。確かに優秀だけど、毎年怪我するし当てにならないんだよなあ、という選手ばかりを集めたためです。
・出場試合数
スタータークラスの出場試合数はこのようになりました。
意外と休んでいません。10試合未満しか出られなかった選手は3人だけ。また、絶対怪我するだろうと思っていた選手9人のうち2人がフル出場、3人が3試合以下の欠場で済んだことも大きかった。
そのため、特にレギュラーシーズン前半は好調でした。
・シーズン終盤
しかし、やっぱり徐々に怪我人が増えていきました。特にシーズン終盤は酷かった。最後に強い相手との対戦ばかりが残っていたスケジュールに加え、戦力がどんどん削られていったことも、最後の失速の原因です。
最終的にはこんな感じでした。
やっぱり健康は大事。
■オフェンス
1試合平均の獲得ヤード数はリーグ1位。得点は2位。ただまあ70点とかいう外れ値があったし、シーズン前後半の落差は先ほど見た通りです。
また、オフェンスがやらかしたターンオーバー数はリーグで11番目に多い。ギャンブル好き+失敗しがちという傾向もあったので、効率の良いオフェンスではなかったと思われます。
・ラン
獲得ヤード数はリーグ6位。プレー中のランの比率は44.6%でリーグ16番目なので、平均獲得ヤードは割と良かったようです。ただ、安定してたイメージはなく、ロングゲインが多かったような気がします。
モスタートがあまり怪我しなかったこと、エイチェンが当たりだったことが大きかった。
個人成績
モスタート:15試合、209回、1012ヤード、平均4.8ヤード
エイチェン:11試合、103回、800ヤード、平均7.8ヤード
ウィルソン:10試合、41回、188ヤード、平均4.6ヤード
ブルックス:9試合、19回、106ヤード、平均5.6ヤード
・パス
ツア:17試合、560回中388回成功、4624ヤード、平均8.3ヤード、29TD、14INT
少しINTが多いけど、まあ十分な数字ではあります。数字は。
あとは得意と苦手な相手がはっきりしちゃうところと、勝負弱さがね。
でも何より全試合出たのがびっくり。
ヒル:119回キャッチ、1799ヤード
怪我で失速した。最後まで健康なら2000ヤードいけるんだろうけど、使いすぎだから怪我するスパイラル。
ワドル:72回キャッチ、1014ヤード
ちょくちょく怪我してた。今後も耐久性が不安。
パスプレー566回のうち、ヒルとワドルがターゲットになったのが175回。30%がこの2人で、多いのかなーって思ったけどDALのCDラムは181回、LVのアダムスは175回ターゲットになってた。まあエース格はそんなもんか。
■ツアの成長/オフェンスの成長
・ジュージュツさいこー!
ツアは受け身を取れたのが一番の成長。
・ツア対策への対応
また、去年は対応できなかったツア対策「とにかくパスラッシュを早くして、パスカバーはプレスで2.5秒持てばいい作戦」を部分的にですが克服しました。
それくらいならば、どうにか粘ってレシーがーが空くのを待てるようになったのです。
しかし、もちろん次のドルフィンズ対策が来るわけです。
・システム対策
HCマイクダニエルも2年目です。システム的な特徴への対策もされるようになりました。
特に多かったのがヒル対策というかロングパス対策というか。ヒルをダブルカバーして、その上でディープゾーンもさらに守る、カバー6を多用されました。ツアがこのパスカバーを読みきれず、対応できないことが多かったような気がします。
ヒルを使うプレーの比率が高いこともあり、苦労していました。
また、ドルフィンズのオフェンスはロングパスを多用する、あるいはディープにヒルかワドルを走らせてディフェンスを下げさせることが特徴なのを、逆に利用されたものも目立ちました。
ディフェンスが2ディープで守っていると、ツアはその手前のミドルゾーンにパスを投げることが多かったのですが、それを狙われて罠を張られたような感じ。
・対策への対応
相手ディフェンスは、これらツアへの対策、ヒルの使い方を含むシステムやプレーコールへの対策を組み合わせてきました。シーズンが進むほどMIA対策が練られていった感もあります。それもあってシーズン後半はオフェンスが低調になることが増えたのでしょう。
個人に対する対策にはシステムやプレーコールで対応し、システムやプレーコールへの対策は個人技で打開してほしいところです。
結局のところ、ツアがパスラッシュから逃げながらパスカバーを見切り、空いてるレシーバーを見つけてパスを投げられるようになれば良いんです。が、それができるQBはNFLでも一握りです。ツアはそこまでいけるのか。いけないだろうなあ。
とりあえず、来年はポケットワークがもう少し上達して、パスカバーを判別できるようになることが目標でしょうか。今みたいに第一ターゲットに投げるか投げないかを2秒以内に判断するってのしかできないままだと、長期契約するほどなのか微妙なところになります。
もう一つ、パスの精度も上げてほしい。特に長めのパスは、ヒルとワドルには短すぎ遅すぎ、その他のレシーバーには長すぎ早すぎる、中途半端なことが多かった。レシーバーに合わせてそれぞれに良いパスを投げられるようになっていただきたいところです。
■ディフェンス
・DC交代また交代
喪失ヤード数はリーグ10位、失点は22位。まあ良くもなく悪くもなくというところでしょうか。
去年はそれぞれ、18位と24位でした。おや、若干向上しただけだったのか。去年もっと悪かったような気がしてた。
しかし、DCファンジオが地元に帰りたいとかで辞めてしまいました。そのため、来年はまたDCが変わります。
とはいえ、チームとしてもあまり強くファンジオを引き止めた感じがしないので、さほど手応えを感じていなかったのかもしれません。
・ファンジオ
今年のディフェンスは、全体的には怪我人の多さと成績の悪化が比例していた印象です。まあ仕方ない。
とはいえ、明らかにコマが足りていない場面や、選手間の対戦にミスマッチが起きている場面でも、さほど守り方を変えなかった。基本的にファンジオのディフェンスは優秀な選手を集めて、バランス良く守ったら良いじゃないかってイメージではありますが、今年はその点が無策だと批判されていた感はありました。頑固なのかな。
さすがに最終盤にまともなエッジが1人もいなくなってしまったところではブリッツ率が高くなりました。が、それも不発だったからなあ。
また、選手とも若干距離があったようです。少なくともモチベーターではなさそう。
ともあれ、ありがとう、さようなら。PHIのDCになるということで、パトちゃんが無職になるのは悲しいけれど、頑張ってください。
■明日はどっちだ
プレーオフには余裕を持って出られました。しかし、プレーオフを勝ち抜くには明らかに力不足でした。もう2段階くらい強くならないといけない。つら。
来年はキャップスペースがない。ディフェンスやり直し。ツアどうする。つら。
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