[10]8.スーパーボウルに個人でチケットを取って観戦に行く方法
はい! スーパーボウル観に行きたいです! どこでチケット買えばいいのん?
そんな簡単に買えねーよ
え!? じゃあどうしたらいいの!?
買う方法はあるけど、一般人が直接定価で買えるとは思わない方がいいなあ。
NFLのチケットは、基本的にホームチームが販売してるんだ。だから、人気のあるチームのホームゲームは常に満席で、スタジアムに来ている人のほとんどはホームチームのファン、クラウドノイズもすごい、っていう状況がつくれるんだよね。
でも、スーパーボウルでは、そのチケットの分配方法が違ってて、基本的にリーグが主導してるんだ。出場チームや開催地にはある程度チケットが多く配られるけど、それでも本当にごく一部で、なかなか一般には行き渡らないんだよね。
具体的にはこんな感じね。
細かい数字はすべて2010年シーズンのダラス開催のときの数字ね。
どのチームにもまんべんなく配られるかわりに、どこか一カ所にたくさん割り当てられるっていうことがないんだね。
出場チームが自由にできるのも17.5%ずつだけ。しかも、まずチーム関係者に配ることになるので、ファンに行くチケット数はそれほどの数にはならないんだ。さらに、出場チーム以外の30チームに配られるのはさらに少なくて、ほとんどチーム関係者だけで終わっちゃんだね。
それから開催地のチームも、自由になるチケット数はそれほど多くない。スーパーボウルの誘致には地元の有力者や政治家やスポンサーがたくさん関わってくるいろいろとアレな世界なので、純粋なファンが手にするチケットなんて本当に少なくなっちゃうんだね。
そしてさらに、全体の1/4はNFLが直接管理してる。で、そのほとんどはテレビ局やスポンサーに渡ることになるらしい。まあ、世の中そんなもんですよねー。
しかし、最後にファンに直接販売されるチケットがあります!
なんと、1000枚!
これだけ。これじゃ確かに、なんのつてもない普通のファンにとってはとんでもないプラチナチケットになっちゃうわけだよね。
じゃあ、僕ら一般人がスーパーボウルのチケットを買うことはできないの…?
まあ定価では買えないけどね、入手する方法はあるんだよ。
スーパーボウルのチケットの大部分は出場チームのファンには渡らないんだよね。それどころか、NFLファンでもない人に渡されるチケットが過半数、という状況ってことにもなってる。
でもね、それってことは、
出場チーム以外のファンは、別に興味ない対戦だしテレビでもいいかな…ってなるよね。
それに加えて、コネやツテや仕事の関係でチケットをもらった人は、そもそも興味ないしな…ってなるよね。
ってことは、チケット売っちゃっても良いかなあ…
となる人がたくさん出てくるってことになるよね。
チケット転売屋の種類と特徴
では、スーパーボウルのチケットを入手したは良いけれど、別に観にいきたいわけではないし、売っちゃおうかなという人はどうするかというと、転売するわけだね。
試合には全く興味ないし、金になるならすぐ売るよっていう人もいるし、買うって人がいたら売るけど、いなかったら自分で見に行こうかなって言う人もいる。その転売の積極性はいろいろみたいだけど、結構な数のチケットが売りに出されるわけね。
そのときに窓口になるのが、各種のチケット屋。
大きく分けると3種類のチケット屋があるんだよ。
転売屋
これは、チケットを売りたい人から買い取って、欲しい人に売る会社ね。
転売屋の場合、実際にチケットを買うときにお金を払っているので、売れなかったら転売屋の損失になる。そのため、不良在庫を抱えるリスクを含んだ値段で売るので、その分だけ高価になるんだね。日本でも店舗を構えている金券ショップはだいたいこの形式で商売してる。
価格が高くなるんだけど、その代わり、チケットはすでに実際に転売屋の手もとにあるから、買う側にとっては安心。売る側にとっても、転売屋さんに売ったらその時点で代金がもらえるので安心ってことね。
委託屋
これはチケットを売りたい人を確保して、値段をつけてから、欲しい人を探して、取り引きを成立させるっていう方法の会社。
委託屋さんは、自分が一度買い取るということはしないので、不良在庫を抱えるリスクがない。そのため、転売屋に比べると安く売ってる。
ただし、チケットが本物であるかどうかの保証とか、きちんと代金が支払われたかどうかの確認はしてくれるんだ。チケットの配送の手配や、お金の決済などの手段も代行してくれる。
チケットを売りたい人と買いたい人、その双方が個人では担保しきれない信用という部分を肩代わりしてくれるという感覚かな。日本でいうとヤフオクみたいなもので、中間手数料は取るけれど、取り引きを簡単にしてくれ、それなりに内容も保証してくれるっていう感じね。
チケットを買う場合には、価格もそれなりに安くなるっていう感じかなあ。
窓口屋
これはチケットの売り買いの交渉を行なう場にだけなるっていうかいしゃね。
ここは、多少の取り引き手数料を取ったりもしますが、ごく小額。なので、ここで売り買いされるものは比較的安価になる。ただし、日本で言うとチケット売り買い掲示板のようなものにすぎないので、なんの保証もないんだよね。すべて売り買いをする当事者同士の責任で行なわなければならない。安いけれどリスクもある、そんな場だね。
じゃあ、どこで買えばいいんだよお!?
そうだなあ。
個人としてチケットを買いたい場合、一番確実なのは転売屋だよね。ただ、費用もかかる。転売屋を利用するならば、チケットも込みでツアー旅行を企画している旅行代理店のツアーに申し込んじゃっても良いんじゃないかと思う。だから、転売屋はとりあえず無し。
でも、窓口屋はさすがに心配。特に、日本から買おうと思った場合には、チケットが本当にあるのか、本物なのかっていう確認をする手段もないんだよね。どこで受けとるかっていう問題も大きいから、これも除外ね。
ってことは、個人で買うなら委託屋ってことになるかな。
チケットの配送や、本物かどうかの確認、決済、とりあえず不安になることはすべて代行してくれるから、個人でもリスクは少ないと判断できる仕組みができてるんだ。お値段的には、窓口屋を1とすると、転売屋はその3割増くらいの価格。ツアーになると2〜4倍くらいになるから、個人で買うにはそこそこ安いってことになるよ。
おっけー! じゃあ委託屋で買うよ! でも、どうしたらいいのん?
転売屋さんも大規模なところになると、たくさんのチケットを確保してるからね。イベントごと、その席ごとに確保できているチケットの数と価格がホームページで見られるんだよ。
2010年シーズンのスーパーボウルでは、各場所のお値段はこんな感じだった。定価じゃないよ、転売価格ね。
3階の角の席が一番安くて2000ドルくらい。次が3階席の真ん中あたりで2500ドルくらい。
ゴール裏は試合が観にくいのかもしれないけれど、2階か、運が良ければ1階になるくらいの場所で2900ドルくらい。この辺が一般人には現実的な価格だよねえ。
ちなみに、1階の50ヤード付近は、8000〜20000ドルくらいだった。
でもそれ、どうやって買ったら良いの? 日本から買えるんだよねえ…?
チケットの買い方は簡単。普通のインターネット通販といっしょだよ。席を決めて、申し込みをして、クレジットカード情報を入力するっていう感じで大丈夫。
いわゆる通販サイトと同じで、マイページがつくられて、注文状況が逐次見られるようになってるよ。
注文した時点では、pendingってなる。とりあえず申し込んだチケットは確保して、正式な契約を交わすまでは保留、というような段階なんだろうね。
メールで契約書が送られて来て、それを印刷し、サインして、スキャンして、返信する。金額が大きいこともあり、この契約書のやりとりがなければ、クレジットカードへの課金もされないんだろうね。
契約書を送り返すと、pendingだったのがconfirmになる。支払は確保したっていうことだろうね。
その2日後くらいに、今度はcompleteに変わる。買い手の支払が確実になったので、売り手からチケットを買い取ったっていうことだろうね。この段階で、チケットは委託屋の手もとに移り、ひとまず確保できて安心、ってことかな。
おっけー! それでチケットは確保ね!? うちまで送ってくれるの?
いや、基本的に日本に送ってくれるサービスはないみたい。
というか、基本的に委託屋さんは事前に買い手にチケットを送るということはせず、現地で渡すよ、ってことになってるみたいだよね。
つまり、チケットを受けとれるのは実際にアメリカに行ってから。もしトラブルが起きたら、単なるアメリカ旅行になって試合は観られないってことね。まあ、そこまで心配しても仕方ないよね。旅行の手配をすべて済ませて、出発一週間くらい前になったところで、チケットの受取場所の通知がメールでくるよ。
市内のわりと高級なホテルの貸会議室みたいな部屋になるらしい。そんなに迷いそうな場所じゃないし、大丈夫かなって感じだね。
F1なんかもチケットの受取は現地なので、それと規模こそ違えど同じようなやり方なんだろうね。
結局、どんな感じで、お金、かかるの?
んー。
個人で手配してかかった最終的な旅行費用はこんな感じね。
スーパーボウルのチケット 25万円
日本からの往復航空券代金 9万円
現地での宿代、3泊分 2万円
2010年シーズンの開催地ダラスまでの航空券は、アメリカンエアラインの一番安かったもの。行きはロス経由、帰りはダラスから成田に直行。各席のモニターもなければ、機内での酒も別料金だけど、最安値ってことで妥協して手配すればこんな感じ。
宿は安くすませようと、街の中心から路面電車で15分くらい離れた駅からさらに10分くらい歩いたところで手配。路面電車の終電が23時すぎなので、あまり街で遅くまで遊べないんだけど、そこも妥協ってことで良いよね。
この合計だと36万円くらいだね。
それが、旅行代理店のツアーだと60万円くらいになっていたので、個人で手配する方がやっぱりかなりお安くすみますよ、って感じかなあ。まあ、すべてを任せられるし、リスクや心配もまったくないツアー旅行も、それだけのメリットはあるよねえ。
あと。ちなみに2010年シーズン当時はアメリカ経済がリーマンショック以来の危機から立ち直りきっておらず、1ドル80円台だったから、円換算時は注意ね。しかも不況のせいかチケット代の高騰も平均以下だったらしくって、今だと個人で手配してもツアーでも2〜3割くらい高くなってしまうのかーって感じみたいだね。
高いー!!
でも、がんばればネコでも買えそうな感じだねー! がんばるよー!
一生に一度くらいはスーパーボウル観に行きたいなあっていう人がたくさんいるからね、一生に一度このことなら多少高くなっても仕方ないなあって感じで、どうしてもお値段高くなっちゃうんだよね。
でもまあ、一生に一度くらいはスーパーボウル行きたいもんね。