02.キックオフ [03.試合の流れ]

02.キックオフ [03.試合の流れ]

アメフトのルールを解説するハムスターさあ、いよいよ試合開始だよ。
片方のチームがボールを蹴って、もう片方のチームが受け取る。これがキック・オフ。受け取る方が次に攻撃するわけだね。


試合開始のときには、コイントスで選んだ通りに、蹴るチームと受け取るチームになる。その後は、タッチダウンやフィールドゴールで点を取ったチームが蹴る方になるよ。
オフェンスでもディフェンスでもない、ボールを蹴るプレーを「キッキング・ゲーム」って言う。その一つがこの「キック・オフ」。他に「パント」と「フィールド・ゴール」があるけど、それらはまた後でね。

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※このページのルール解説は2023シーズンまでのものです。

現在は新しいルールに変更されています。新しいルールは以下の記事で解説しています。

2024シーズンのNFL新キックオフルールと効果予測

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※以下のルール解説は2023シーズンまでのものです。

a)キック・チーム

キック・オフでボールを蹴る方を「キック・チーム」っていう。蹴った後で「突進する」ので、「ラッシュ・チーム」って言うこともある。

キック・チームは自陣の35ヤード地点からボールを蹴る。そのとき、キックチームはフィールド上のどこにいてもいいか、どこにいちゃいけないかが決まってるんだ。

まず、この図の色付きの部分それぞれに2人以上の選手がいなければいけない。
つまり、フィールド中央の点線と数字が書いてあるところの間と、数字が書いてあるところとサイドラインまでの間、それぞれ2人以上。

キックオフで選手がセットしてもいい位置

それから、ボールの左右には5人ずつの選手がいなきゃだめ。
なので、基本的にはこんな感じの配置になるよ。

NFLのキックオフの基本的な選手の配置

ただ、色付きのそれぞれの範囲には2人以上がいればいいんだから、こういうアンバランスな配置でもいいってことになる。

NFLのキックオフのときに許されている選手の配置方法

そして、キッカーがボールを蹴るまでは誰も35ヤードラインを越えてはダメ。さらに、キッカー以外はボールが蹴られるまでは動いちゃいけない。
35ヤードラインを超えなければ助走をつけてもいいってことじゃなく、ボールが蹴られるまでは前に進んじゃだめってことね。

だから極端に偏らせて選手を配置することもできないし、だいたいみんなで横一線になってタイミングを合わせて走っていくようになるよ。

キックが相手の陣のエンド・ゾーンまで飛ぶと、タッチ・バックといって、相手チームが25ヤード地点からオフェンスをはじめることになる(キャッチした選手が自分でエンド・ゾーンを出てリターンするのはOK)。

タッチバック

だから、ゴールラインぎりぎりのところまで飛ばして、25ヤードまでリターンされる前にタックルできると、キック・チームにとっては成功。安全策をとって遠くまで蹴ってタッチバックを狙うっていうのが多いけどね。

キックしたボールは、まず10ヤード以上飛ばなければダメ。10ヤード飛ばないうちに止まっちゃったり、キック・チームが触ったりしたら反則になる。この場合は5ヤード下がってキックやりなおし。

キックオフが10yds飛ばなかったら反則

キックしたボールがサイドラインをでちゃってもダメ。この場合は相手が40ヤードから攻撃を開始できる。キック・チームは25ヤード以内で止めたいわけだから、これは大失敗だね。

キックオフがサイドラインを出たら反則

b)リターン・チーム

リターンは「戻す」っていうような意味。蹴られて飛んできたボールを捕って、自分たちの攻撃する方向に進むことを「リターン」って言う。そのボールを捕る選手を特にリターナーっていうよ。足が速くて、すばしこくて相手のタックルをよけるのが得意な選手が使われることが多い。

リターン・チームは敵陣の45ヤードから自陣の40ヤードの間に8人の選手を配置しなければならない(キックする地点から10ヤード離れた位置と~25ヤード離れた位置の間、という意味。だから反則などでキックする位置が変わると、それに合わせて動くことになるよ)。
この図の色のついた部分に、8人がいなきゃだめってことね。

NFLのキックオフでのリターンチームの選手を配置する規定
この選手たちはキッカーがボールを蹴るまでこの色付きの部分から出たらダメ。
他の3人の配置は自由。

だから、だいたいこんな配置になることが多い。

NFLのキックオフリターンでの基本的な選手の配置
色付きの範囲には8人以上を配置すればいいので、こんな感じに前にたくさんの選手を集めることもある。

NFLのキックオフリターンでオンサイドキックの対策をする場合の配置
これは、ボールを蹴る方のチームが「オンサイドキック」というのをするだろうときに対応するために取ることが多い配置だよ。オンサイドキックについてはまた後でね。

そして、ボールが蹴られたあとにも、ちょっとだけ決まりがある。
この色のついた範囲では、蹴られたボールが地面につくか、リターン側のチームの選手がボールを触るかするまでは、選手同士がぶつかってはダメなんだ。つまり、ボールが蹴られて空中にある間はこの範囲で相手をブロックしてはいけないってことね。

NFLのキックオフの時のノーブロッキングゾーン

いろいろと決まりごとがあって面倒だと思うでしょ?
でも、キックオフは全速力で走ってきた選手同士がその勢いのままでぶつかり合うから、とても危険なんだ。あまりに怪我や脳震盪を起こす選手が多かったから、できるだけ勢いをつけないようにルールが改正されていった結果の、現在のルールってこと。

で、リターン・チームにとっても、25ヤード地点がひとまずの目安になるよ。エンド・ゾーンでボールを捕って、そのままタッチバックにすれば、25ヤードから攻撃できるからね。
もちろんそこからリターンすることもできる。でも、捕ったままエンド・ゾーンから出なければタッチバックで25からなのに、リターンして25ヤードまで行けずにタックルされちゃうと、タッチバックにしておいた方が良かったなー、ってことになるよね。

キックオフの解説





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