[04]04(2)2.パス・プロテクションとプレーアクションパス
パス・プレーでのオフェンス・ラインのお仕事はなんですかー?
インテリア・ラインはボール触っちゃいけないんだよ。
あとね、パス・プレーのときはLOSから出ちゃいけないんだよ。
え~、そしたらやることねーじゃん!
らくちーん! ラッキー!
あるわいボケ。
ラインの役割は、パスを投げるQBをディフェンスのラッシュから守ることだね。これをパス・プロテクション(あるいは略してパスプロ)っていう。
で、LOSから前に出ちゃいけないから、下がりながらディフェンスをブロックするってことなるんだ。
パスを投げる前にQBがタックルされてしまうことをQBサックって言って、プレーがまったく成立しないし、LOSからかなり下がってタックルされてしまうことにもなる。だから、実はパス・プレーで一番大切なのはパスプロとも言えるよね。
でも、パス・プレーのときのアサイメント図では、OLの動き(パスプロのアサイメント)は描かれてないことが多い。ラインはラインで別ですよって感じ。
実際には、ディフェンスの選手の配置やブリッツなどに対応して変化しなきゃいけないし、レシーバーのパス・コースによってQBが投げやすいように、パス・レーンをあけてブロックしたり、かなり複雑で大変なことをしているんだ。
えー、ちょー大変じゃね!?
でもまあ、とりあえず大まかには、QBの動きによって2種類に分けられるかな。
ドロップ・バック
1つ目はドロップバック。QBがまっすぐ後ろに下がることだよ。
パス・プレーのときには、まずQBはレシーバーを探す時間を稼ぐためと、ディフェンスとの間に空間を作ってパスを投げるのを邪魔されないために、後ろに下がるんだ。その下がり方の、オーソドックスなものがドロップバックだよ。
ディフェンスは後ろに下がったQBに向かってラッシュするので、OLは間に入ってそれを邪魔する。ラン・プレーでのブロックと違って、OLも後ろに下がりながらディフェンスにくっついてブロックするって感じになることが多いね。自分たちも下がるっていうのは、ディフェンスをQBまで行かせなければ良いっていうのと、少し下がった方がディフェンスの動きを見ながら動けるからだね。まあもちろん、パス・プレーではインテリア・ラインの5人はLOSを越えて前に出てはいけないってルールのせいでもあるけどね。
このときの、OLがつくるQBを囲むようにしてブロックする半円状の壁をポケットって言う。
分かりやすく図にするとこんな感じね。
少なくともインテリア・ラインの5人は必ずパス・プロテクションをする。それに対してディフェンスは4人のラッシュが基本。
図ではセンターの正面にDLがいないので、センターはLBなどDL以外の選手がパスラッシュをしてこなければ、左右の選手のサポートにまわれる。
左のHBは最初からパス・コースにでてるけど、右のHBはまずパス・プロテクションをしてるね。OLのポケットを突破してきたディフェンスがいれば、それをブロックしなきゃいけない。さらに、レシーバーがだれもフリーになれなくって、QBがパスが投げられない場合には、HBはパスプロを途中でやめて、ディフェンスがレシーバーと一緒に奥に走っていったために手薄になったスペースに動いてパスをもらうこともある。この動きはセーフティー・バルブって言われるよ。危ないときのための予備みたいなものだね。
やることいっぱいだねー。
俺はブロックしてるだけー!
QBが下がるのは、レシーバーがパス・コースまで走っていくための時間を稼ぐためっていうのもある。
だからロング・パスを投げるときには、レシーバーが走っていく時間も長くつくらないといけないから、QBのドロップバックもたくさんしないといけないね。すぐに投げるパスで3歩、投げるまでに時間がたくさんほしいときで7歩とか下がるよ。
ロール・アウト
ドロップバックとは別の、もう1つの下がり方はロールアウトっていうやつ。
これはQBがまっすぐ後ろに下がるんじゃなくって、ポケットの外側に出ていくものなんだ。OLは半円状じゃなくって真っすぐの壁のように並んでブロックしたり、QBと同じく外側に出てブロックすることもある。
QBがフィールドの片方に移動するから、逆側には投げにくくなるっていう短所もあるけど、比較的時間が稼ぎやすい、助走をつけて投げられるっていうの利点があるよ。
プレー・アクション
さてさらに、ドロップバックとロールアウトそれぞれに、ラン・プレーのフェイクをしてからQBが下がる、プレー・アクション・パスっていうバリエーションがあるよ。
うう…これ以上わたしに覚えろというのでしょうか…主よ…
まあ、ラン・プレーのふりをしてからやるパスのときには、っていう程度のことだよ。
QBはRBにボールを渡すふりをする。
ラインの選手たちもラン・プレーのふりをするんだけど、パス・プレーのときにはインテリア・ラインの5人はLOSから1ヤード以上前に出ちゃいけないから、完全にラン・プレーと同じ動きはできない。適当に誤魔化す演技力が必要だよ。
オフ・タックルへのラン・プレーのフェイクなんかだと、QBはRBにボールを渡すふりするために、最初に斜め後ろに下がっていくから、そのままロールアウトして外に走ることもできる。このアサイメントはブーツ・レッグって言うんだ。
この呼び名は、RBにボールを渡すふりをするときに、実際にはボールは逆の手に持って自分の足の影に隠すようにする動きを、かつての禁酒法の時代にブーツの中に酒を隠して運んだことに見立てた呼び方なんだよ。
さらに、このプレー・アクションのときに、QB1人だけがフェイクとは逆方向に動いて、ブロッカーがまったくいないものを特にネイキッドって言う。QB丸裸ってことね。危ないけど、ブロッカーがだれもいないだけにバレにくい。
プレー・アクション・パスは、ラン・プレーのふりをする分だけ、QBが下がるのに時間がかかる。でもその間にレシーバーは動けるから、たくさん走れるね。
さらに、ディフェンスがボールを持つふりをするRBに一瞬でもひきつけられれば、レシーバーはパス・カバーをするディフェンスを振り切りやすいし、パスラッシュをする選手もRBを見てからラッシュする分だけQBがパスを投げるまでの時間を長くかせぐこともできるんだね。
これらがパス・プレーのときのラインのお仕事。
もちろんラインだけじゃなくって、QBやRBと連携してやることだけど、パス・プレーのときはパスプロをするってことだね。
そして、ランのときに比べると力ずくっていうよりは技と演技力も必要になる、と。
とりあえず思いっきりブロックしたらいいんだろー!とりあえず思いっきりブロックしたらいいんだろー!
何も聞いてない…

- 前のページ:
- [04]04(2)代表的なオフェンス・プレー(パス・プレー編)
- 次のページ:
- [04]04(2)4.タイミング・パス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%88%A6%E8%A1%93#%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%91%E3%82%B9_(play_action_pass)
wikiを読め、タコ