[05]04(3)ブリッツ
おいら、ブリッツたくさん使うディフェンスが好き!
お前、キャラ変わりすぎじゃね?
そんでブリッツってなんぞ?
そうか、カワズはブリッツが好きか。
だからブリッツってなんぞ?
ブリッツって、DL以外のディフェンスが、パス・ラッシュする、アレのことだよ!
なんで知ってんの!?
ってかお前もキャラ変わってるし!
はい、じゃあ、たった1人知らないネコのためにブリッツを教えてやるぞー。
う…。
パスを守るためには、レシーバーにパスを捕らせないようにするためのパス・カバーと、QBにパスを投げさせないためのパス・ラッシュっていう2つの軸がある。ここまではいいね。
おう、それは聞いたぞー!
パス・カバーは7人、パス・ラッシュは4人でするんじゃろ?
うん、基本はそうだね。でも、パス・カバーとパス・ラッシュのバランスは、プレーごとに変えることもできる。
プリベント・ディフェンスではカバーが8人、ラッシュが3人になってたよね、あれはカバーのほうを重視して人数を多くさいてるってことだ。
変えてもいいんだねー!
じゃー逆に、ラッシュのほうにたくさん人数を使うってこともあるんだな?
それがブリッツってやつだよ。
4-3だと、基本的にラッシュする4人はDLだね。3-4だとDL3人+LB1人の4人。そのほかに、さらにセカンダリー(LBとDBを合わせてセカンダリーって言う)にもパス・ラッシュさせることを、ブリッツって言う。
ブリッツに入った人数分だけパス・カバーは減っちゃうから、パス・ラッシュを優先した守り方だってことだね。
LBが1人ブリッツすることが多いけど、ときどきCBとかセーフティーが入ったり、2人以上がブリッツすることもある。いろいろな位置から、いろいろなタイミングでブリッツを仕掛けていって、オフェンスのパス・プロテクションの連携ミスを生んだり、ラッシュするディフェンスがパス・プロテクションをするオフェンスを人数で上回ってブロックされない選手を作ったりするんだ。
LBのブリッツ
DL4人のパス・ラッシュ+LBのブリッツっていうことね。
パス・プロテクションをするオフェンスも、DLの4人はもちろんラッシュしてくるって思ってる。そこにもう1人LBがブリッツにくると、OLもそれに対応してパスプロを変化させないといけない。
そこに隙が生まれるのだ。
ダブル・ブリッツ
セカンダリーのうちの2人がブリッツに入るっていうことだよ。
合計6人でパス・ラッシュすることになるよね。ということは、OLは5人だから、ラッシュの人数のほうが多くなっちゃう。すると、RBとかそんなにブロックが強くない選手が、ブリッツに入ってきたディフェンスをブロックしなきゃいけなくなるってことだよね。
そこに隙が生まれるのだ。
セーフティー・ブリッツ
ブリッツはどちらかというとLBがすることが多い。もともとLOSに近いしね。だから、OLもまずLBのブリッツを警戒する。なので、LBがブリッツにこないなって判断すると、正面にDLがいない選手は、他の選手のフォローにまわったりするんだ。そこに遠くからセーフティーがブリッツに入ってくると、見つけるのが遅れちゃって対応できないこともあるってわけね。
そこに隙が(略)
コーナーバック・ブリッツ
OLにとっては外側、斜めの方向からブリッツに入ってくることになる。外側をまわりこんでラッシュしてくるDEと重なっちゃうね。ってことは、外側を守っているオフェンス・タックルが1人だけじゃ、対処しきれなくなっちゃうね。これもやっぱりRBがブロック
に参加しないといけないってことが多い。
そこに隙(もういいですよね)。
ディレイド・ブリッツ
プレーがはじまった直後には、緑の線のLBはパス・カバーをするときと同じように2~3歩後ろに下がる。それからブリッツにいくっていうやり方ね。
OLはプレーがはじまってすぐに、ディフェンスの何人がパス・ラッシュにくるのかを見極めて、それぞれがブロックする相手を決めるんだ。だから、一度パス・カバーに下がると思われた選手は、いったんブロックの対象から外される。その後でブリッツにくると、誰が担当するのか曖昧になっちゃったりするわけだね。
そこに隙が生まれてほしいなー、とディフェンスは思ってる。
フル・ブリッツ
3~4人がブリッツに入る。基本の4人とブリッツの合計で7~8人がパス・ラッシュすることになる。オフェンスのパス・プロテクションをする選手の人数を上まわっちゃうんだ。オフェンスの連携ミスを待つことなく、誰かがブロックを受けずに直接QBに向かうことができるってわけ。
そこに隙が…生まれると生まれないとに関わらずプレッシャーを与えられる。
すごーい! ブリッツ最強! 全部ブリッツでいいねー! 毎回8人でラッシュするよー!
お前さんは相変わらず単純じゃな。
パス・ラッシュをする選手が増えるっていうことは、その分パス・カバーをする選手が減るってことだよね。パス・カバーが手薄になれば、レシーバーがフリーになる可能性は高くなる。
だから、上手くブリッツに対応されてブロックされちゃうと、QBにプレッシャーがかけられないから、落ち着いてフリーになったレシーバーを探されちゃうんだ。
それから、プレーがはじまる前に、どの選手がブリッツにはいるのかを読まれちゃうと、やっぱり弱い。ブリッツに入った選手が守るはずだったゾーンっていうのは、どうしても手薄になるってことがばれちゃうからね。 だから、特にプレー開始直後はそこを狙われちゃう。オーディブルを出したり、レシーバーとのコンビネーションでブリッツ用のパス・コースに変更したりして、簡単にパスを通されちゃうんだよ。
この図だと、TEはもともとオレンジの点線のポスト・パターンにいくはずだった。でも、緑の線のLBがパス・カバーに下がらずにブリッツにいくのがわかったから、そこでフックに切り替えたんだね。LBがブリッツに入ったから、TEをカバーするのはSSがマン・ツー・マンっていうことが多い。だからこの位置でなら、かなりの確率でフリーになれるんだね。
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