[05]04(3)ラン・プレーでのブリッツ
はいっ!
ブリッツ入れたときにラン・プレーだったらどうなるの?
ってか、ラン・プレーだろうって思ったときもブリッツ入れるの?
うん、使えるよ。
パス・プレーのときとはちょっと意味合いが違っちゃうし、パス・プレー用のブリッツだと、ランには弱いってところもあるけどね。
オフェンスのプレーを見てから動くんじゃなくって、ディフェンスが先に動いていくタイプの守り方って考えたらいいよ。
たしかにブリッツは主にパス・プレーを想定したものなんだけど、ラン・プレーに対しても使われるんだ。セカンダリーがボール・キャリアが来るって予測されるホールに飛び込んで、そのままロス・タックルを狙うんだね。QBだけをターゲットにしてるパス・プレーのときのブリッツとはちょっとだけ違うけど、ディフェンスが先に自分からLOSを超えていくって動き方は一緒。
基本的にはディフェンスは、オフェンスの動きに合わせてリアクションをとって守ってたよね。でも、ブリッツを入れるときには、ディフェンスが先にアクションを起こして、オフェンスの動きを制限していくっていうことでもあるんだ。
普通のディフェンスだと、ランナーをみんなで囲むようにして追い詰めてタックルしてたけど、
ブリッツが入ったら、そのホールはすでにつぶれてるものと考えちゃう。じゃあ、そのホールがダメになっていたらオフェンスはどう動くだろうっていう予測から、残りの部分をみんなで守るっていう感覚かな。
緑の線がLBのブリッツね。まずOLを振り切ってLOSを超えていく。すると、本当はリードブロッカーになりたかったUBが、入ってきた緑のLBをブロックしなきゃいけなくなっちゃう。同時に、左のガードが回りこんできても、LBとUBが邪魔になってRBのところまではいけない、つまりブロッカーとして役に立たない。LBがブリッツに入ることで、UBとGの2人をつぶしたってことになるね。
するとランナーは、もともと走ろうとしていたコースは取れなくなって、外側に膨らまないといけなくなっちゃう。しかもブロッカーはいない。それをILBとSSとCBで囲んでしまえばいいってわけだね。
ただもちろん、ブリッツに入ってつぶしたホールとは関係ないところにランナーがいっちゃうこともある。そうなると、ディフェンスにとっては、ブリッツに入った選手がプレーとは関係のない動きをしちゃってるから、1人無駄にすることになる。するとランナーが実際にいった方ではディフェンスの人数が少なくなっちゃう。ってことは、逆に不利になるってことだね。
さっきのプレーはパワーだったけど、今度は右のオープン。オフタックルから緑の線のブリッツが入っても、2人のRBは最初から外に走っていってるから、すれ違っちゃう。だからブロッカーをつぶすこともできないし、RBの動きを遅らせることもできないんだ。左からきたガードの邪魔はできるけど、それだけだね。
TEも、正面にいたLBは勝手にブリッツにはいってっちゃったから、自由に動いてILBをブロックにいけるようになる。そうなると、UBが完全に余っちゃうんだ。ディフェンスがこれを少ないゲインで止めるには、ILBが素早くTEをかわすか、SSが素早くUBをかわすか、CBが素早くWRをかわすか、何にしろ個人の良いプレーが必要になっちゃう。
こういう、プレーのアサイメントが極端に不利になっちゃって、個人がシステムを超えた部分で頑張らないとどうしようもないって状況を「プレー負け」なんて言ったりするよ。要は読み違いだね。
オフェンスが何してくるか当てないとダメなのかあ…
たしかに予想が外れたときはロングゲインになっちゃうことも多いね。だからハイリスク・ハイリターンな守り方って言えるかもしれない。
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