[10]06.QBレイティング
ねえ、QBのはしくれとして、知りたいんだけど、
くぉーたーばっくれいてぃんぐって、なに?
お前は生まれつきラインだし今もラインだしこれからさきもずっとラインだけど、QBレイティングについては説明するよー。
なんかテレビでもときどきいってるよねー!
QBの成績みたいな感じ?
正確には「パサー・レイティング」だね。
パサーは、パスを投げる人。レイティングっていうのは、等級とか、格付けとか、そういうのを決める、みたいな感覚かなあ。QBのパスを投げる人としての成績ね。
黒帯とか…?
なんというか、QBのパスに関する成績を全部ひっくるめて、ざっくりと数値にしたよ!ってやつだね。最高は153になって、数値が高いほど良い成績ってことになってる。
算出の仕方はこうなってるよ。
1)まず必要な要素を集めましょー。
・パスを投げた回数
・パスが成功した回数
・パスで進んだヤード数
・パスでタッチダウンした回数
・パスをインターセプトされた回数
2)次に、4つのサブジャンル的な成績数値を出すよ。
a)パスの成功率についての数値
パス成功率から0.3を引いて5をかける。
もちろん成功率が高いほど数値も大きくなる。
b)パス獲得ヤードについての数値
パスでゲインしたヤード数を、パスを投げた回数で割る。それから3を引いて4で割る。
つまり、パスを1回投げたときの平均獲得ヤード数が問題ってことだね。獲得ヤード数が同じなら、パスを投げた回数が少ないほうが成績は良くなる。
c)タッチダウン数についての数値
タッチダウン・パスの数を、パスを投げた回数で割って、それを20倍する。
全体のパス回数が少なくて、タッチダウン数が多ければ、それだけ数値が上がるね。
d)インターセプト数についての数値
インターセプトの数を、パスを投げた回数で割って、をれを25倍する。それを、2.375から引く。
これだけは減点方式ってことだね。インターセプトの数が0なら満点、2.375になる。
で、この4つのサブジャンル的成績数値を足すんだけど、ここで注意。この4つは、最小値が0、最大値が2.375ってことになってるんだ。もし数値がマイナスになっちゃっても、その場合は0ってことね。数値が2.375を超えた場合も、2.375で打ち止め。
そのように修正したa,b,c,dを足して、6で割る。それを100倍したら、QBレイティングになる。
めんどくせー!
うん。それに、なんとなくこういう風にしましょうって決められてきた計算方法だから、とくに根拠があるわけじゃないんだって。それぞれの要素をどう評価してまとめましょうかって、ひとつの基準ってだけだからね。
そんなわけなので、注意もいくつか。
この計算方法だと、短いパスをたくさん成功させた方が数値が上がりやすいって傾向がある。タッチダウン・パスが多いと数値が大きく上がるし、インターセプトされると大きく下がる。
それから、ランでTDをとっても関係ないんだ。QBのパスに関する成績だからね。つまり、ランを主体にしたチームよりも、短いパスをたくさん投げるチームのQBのほうが成績が良くなるんだね。
もうひとつ注意、あくまでもパスについての成績なので、QBが自分で走っても関係ないんだ。スクランブルでゲインしてもQBレートは良くならないし、サックされても悪くならない。
パスが投げられなかったときにサックされちゃったQBと、自分でスクランブルしてゲインしたQBがいても、QBレートは同じになるってことだね。
つまりタイプによって、レートが上がりやすいQBもいれば、評価されない能力を持ってるQBもいるわけ。
えー…。
それじゃ、あんまり信用されてないってことでげすか?
いや、もちろん信用されて使われてるよ。
ただ、すべてのQBをひとつの評価基準で並べるってことが目的ってことだね。
だけど、すごくざっくりとした数値だし、他の評価方法だってあるから、細かく見比べて、誰が一番で、誰と誰の差が何ポイントで、みたいな使い方はあんまりされない。目安としての数値になってる印象だね。
大体80くらいで及第点だろう。100を超えると非常に良い成績。逆に70を切っちゃうとちょっとマズい。ってくらいかな。
特にQBは、リーダーとしての役割もあるし、パスを投げるって部分だけの能力じゃ評価しきれないよね。それに、RBの成績がオフェンス・ラインの強さにも左右されるのと同じで、QBレートもチームメイトはもちろん、チームの方針やシステム次第で上下するから、これだけを見てQBを評価するのは危ないよってことだね。