[イルカ観察日記番外編]スーパーボウル観戦旅行レポート。試合当日
いよいよスーパーボウル当日。
すっかりいい天気になり、気温も上がって、雪? なにそれ、ふったっけ? みたいな雰囲気になった日曜日のダラス。
よかったよかった。
スタジアムへ
宿から電車を乗りついで、スタジアム近くの駅からシャトルバス。
車でいく人のほうが多いんだろう、バスは意外と混んでなかった。
車の中はさほど興奮している人もおらず、タオル振り回す人もおらず、普通に雑談してるだけなんだけど、みんな声でかいです。クラウドノイズ状態です。
窓からスタジアムが見えてきてテンションが上がるものの、ちょっと離れた、レンジャーズ・スタジアムの裏で降ろされる。そこから歩き。意外と遠いじゃねえか。
しかし、だんだん近づいてくるスタジアム。快晴。再びテンションが上がっていく。
思っていたよりも人が少なく感じる。というよりは周りがだだっぴろすぎて人口密度があがらないだけなんだろうけれども。
飛行機が墜落して沙漠に投げ出された人々が非難シェルターに向かっているかのような風景になっていく。
途中、チケット探しの歌を歌ってるおっさんが出現。
ついにスタジアム到着!でかい!カブトガニみたい!
敷地内に入るともうお祭り騒ぎ。とりあえずビールだろ!的な。
ここはファンゾーンって呼ばれてるけど、チケットないと入れないところだし、駐車場じゃないしテールゲート・パーティーとは言わないんだろうなあ。
野外フェスティバル風の特設ステージが2つ、テーブルと屋台、これがスタジアムの両サイドの入り口にあるらしい。規模的には渚音楽祭くらいかな。とりあえずお祭りっぽくて楽しい。
しかしビール一本10ドルはボッタクリすぎだろうがよ。
しばらくふらふらしてるうちに、ステージのほうから、
ブルーマンのショーがはじまるぞー
ってアナウンス。スーパーボウルさんくらいになると、前座がブルーマンか。いいね。
しかしこんなに盛り上がってるところに売りに来たくせにビール屋はID確認するんだぜ。律儀すぎるんだぜ。
本当にダラスにはアジア系の人が少ない。見慣れてないから、こっちの年齢なんてまったく想像つかないみたい。
ブルーマンはたっぷり30分くらいライブやって、ちょうど4時くらいになった。
あと1時間で試合がはじまるぞー、ってことで、みんなスタジアムの中に移動。
中に入るとセレモニー前の選手たちが体をほぐしてるところだった。
席はやはり2階席の、それもだいぶ後ろの方だったけれど、でも結構見やすそうだし、まあ満足。
それにしてもでかいモニター。
スタジアム内をひとまわり探検して、盛り上がってまいりました!
試合開始
さて、いよいよ始まるスーパーボウル。
国歌斉唱中は、あれ? って空気が流れかけてた気はしましたが、とくに間違いを指摘する人はいませんでしたよ。
それよりも、飛行機飛んでくときだけ屋根あけてほしかった。
キックオフのプレークロックはモニターでカウントダウン!
PITのリターンから。
最初のシリーズはGBが簡単に止めたのですが、パントリターンで、シールズがパントリターナーの邪魔しちゃって、ファンブルさせかけるという事件が発生。
ラッキーボーイになるはずが、なんか危なっかしいスタート。シャツ着てるこっちの身にもなってくれ。
そしてGBの最初のシリーズ。レシーバーたち、あいかわらずのドロップぐせ。
それよりも、このプレー!
いったと思ったよ。両手あげたよ。
結果。
俺、ぽつーんってなったよ。はずかしかったぞ。
基本的にはアメリカ人も一般的にはそこまでフットボールに詳しいわけじゃないらしく、プレーの結果が見えてから、それに一喜一憂するリアクションをとるような感じの人が多かった。日本のおっさんたちの野球に関する知識くらいのものだと思う。ピッチャーが投げた瞬間に、そこはダメだ! って言うような人、そんなにはいないでしょ。
だからこのプレーでも、完全にレシーバーが抜けて、パスがいい感じで飛んでいって、こりゃいくでしょ! って声をあげたのはパラパラってところで、大体の人たちは、ん~? パスだね~? って感じでみてた。
だから、僕ら数人、ぽつーんってなった。
でもその後モニターでリプレーが流れたとき、
あー、なるほどね、そうだったんだ、おまえら分かってたんじゃん、
みたいな感じに周りがなってくれたので恥ずかしさも消えたし、こいつは見慣れない東洋人だけどどうやらフットボールは知ってるらしいって雰囲気になったので、その後の振る舞いがとても楽になった。
いや、そんなことはどうでもいいからちゃんと捕れよ。
ついでに周囲の客状況を。
なんとスティーラーズのジャージを着てる6人に囲まれる状態になってしまってました。
でも右側のカップル風白人壮年&中年男性二人組はとても穏やかで、その前の黒人男女カップルもスーパーボウルの雰囲気を楽しんでるよーって感じで、スティーラーズのジャージは着てるけれども特にどちらかのチームに思い入れがあるわけでもなさそうだった。
前の席の白人青年が推定190センチオーバーの長身で、立ち上がるとけっこう邪魔だった。でも、フットボールのルールもいまいちわからないって感じらしく、隣の友達らしき黒人青年に説明してもらってるんだけど、そっちもまた若干よくわかってないらしい解説。でもおかげでほとんどずっと座っててくれたし、なんか買いに行って席にいない時間もながかったので見やすかった。
問題は左隣のおっさんだ。うるさい。声がでかい。
スティーラーズが良いプレーすると騒ぐ。
自然とこっちはパッカーズが良かったときに大げさに喜んでみせることになる。
そしてときどき振り向いてハイタッチを求めてくる2つ前の席のパッカーズ・ファンのおっちゃん。いいひと。
どうも異なるチームを応援する奴には基本的に声をかけないって雰囲気ができあがってて、でもフィールドへの応援はつまり隣のあんちくしょうへのメッセージにもなっていて、鏡を介したゼスチャーゲームのような不可思議なコミュニケーションができあがっていた。
それに対する我が戦友、パッカーズ・ファン。まあ今日だけのお友達だけどな!
さて、試合はこの後GBペースに。GB 14-0 PIT。
しかし、いつものロスリスバーガーの足が痛い痛いフェイクからのスクランブルが始まり、GBはドライバーが壊れて、さらにウッドソンが壊れて、前半最後にタッチダウンを奪われ、いやーな感じで後半突入。GB 21-10 PIT。
後半
PITのランが止まらず、ずるずるタッチダウン。
モメンタムがスティーラーズに動いていた。もしかしたらモメンタムっていうのは、プレーが終わってから盛り上がる、このアメリカ人気質が生むもんなんじゃないかと思った。良いプレーが出たチームのファンは騒ぎ、逆側のファンは黙る。
様式美と言うか、絶対的なものらしい。日本の古典的声援である劣勢側の「どんまい」みたいなセリフは聞こえない。とにかく、直前のプレーで良かったほうが騒ぐ。それだけ。
良いプレー⇒ものすごい声援、と続けば選手のほうも調子良いような気分になってくだろう。逆側のチームの選手は孤立する。そしてモメンタムが生まれる。
でもなあ、スーパーボウルだから良いほうのチームのファンが交互に騒いでるけど、普段のゲームだったらクラウドノイズは「有る」か「無い」かだけで、移動するもんじゃないしなあ。
まあ、そんなことは良いのですが、すっかり飲まれちゃったのか、またGBのWR名物ポロリ大会が始まりました。
ほんとに泥沼な雰囲気だったんだけれど、ここでちょっとテレビCMのためのタイムアウト。家でテレビ見てるときはこの間がわずらわしかったけれど、スタジアムではモニターでいろんな映像が流れて意外と楽しかった。
そこから試合はしばらく膠着。
PITがFGを外し、GBも攻められず。
やはりスーパーボウルなので、本当のクラウドノイズっていうものは起こらない。テリブルタオルもまばらに振り回されてても迫力はない。
実際のところ、僕と同じように消極的選択の結果としてどちらかのチームのジャージを着てる人のほうが多いくらいだろうし、観客の一体感というか試合の流れにのめりこんでいく感じは、どちらかのチームのホーム・フィールドじゃないと乏しいんだろう。そのかわり、選手も比較的試合に集中しやすいだろうし、なにより「最後の試合」っていう緊張感はレギュラーシーズンはもちろんプレーオフでも比べ物にならない。観てるこっちも緊張する場面がたくさんあった。
そして、GBのファンブルフォースがあり、WRがようやくちゃんとパスを取って、
でも、PITがしぶとくTDを返す。シールズが功を焦って抜かれてのTDだった。シャツ着てるこっちの身にもなれ。
ついに3点差。GB 28-25 PIT。
うひゃー。なにこのしびれる展開。
残り7分半。
ここまでくるともう客席もテンション最高、いままでのように両チームのファンが交互に盛り上がっているのではなくって、両方がそれぞれてんでにうるさい。
もうカオス。
残り2分
GB 31-25 PIT
スティーラーズのオフェンスに。こういう場面でのわけのわからない勝負強さはスティーラーズが一番だろうし、怖い怖い。
しかし、ここにきてもまだ6人でラッシュするGBディフェンスをみて安心した。アツイ。これはいけるだろ。
そして勝負の4th.&5。これはもう決められるだろ、と思って録画してみた。
試合が決まった。
その瞬間のスタンド。
そしてニーダウン時のスタンド。
面白かった!
しかし、宿に帰るまでがスーパーボウルでした。混沌の帰り道はまた次回。