[04]02(2)シングル・ウィング・フォーメーション
さて、オールドTの、ライン7人を前に並べちゃうっていうのはそのままに、バックの位置を変えたものが生み出されるわけです。
今日はそんな、シングル・ウィングについてでーす。
これは、7人のラインを全員並べるのはオールドTと同じだね。ただ、スナップを受け取るQBが、センターから5ヤードほど後ろに配置されているのが特徴。そして、バックのひとりをラインのすぐ外側、LOSから2ヤードくらい下がったところに置いてる。ラインとこのバックの並んだ形が、鳥の羽の先のように見えることから、ウィング・バック(WB)って呼ぶよ。
このWBがひとりなのでシングル・ウィング。両側につけてたらダブル・ウィングね。
ウィング…手羽先…
うん。似てるじゃろ?
このフォーメーションでは、センターはQBにボールを投げるようにしてスナップする。それか、HBにスナップすることもできるんだね。
QBがスナップを受け取った場合には、他の3人のバックも、その前のラインも全員ブロッカーにしてランプレーをする。
スナップをHBが受けた場合には、LOSからの距離がQBよりも近い分だけタイミングの早いラン・プレーになる。
これ、そんなに違うけ?
まあこの場合も結局はQB以外の全員でブロックするから、それほどの違いはないように思えるんだけどね。当時は異なる種類のプレーができるって点が画期的だったらしいんだ。それまでのオールドTではとにかく力勝負のプレーばかりだったから、それよりも早いプレーがあるっていうのが新しかったんだろうなあ。
このフォーメーションではランナーになるのも、パスを投げるのもQBになる。ってことは、その1人への負担が大きくなっちゃう。なので、QBの怪我をできるだけ避けるのが一般的になってからは、ほとんど使われなくなってたんだ。もしくは、ショットガン・フォーメーションのバリエーションとして、ほとんどパス・プレー専用のフォーメーションになっていた。
でもこれ、見たことあるでゲスよ。
QBがいなくなって、RBがスナップを受け取るやつ。
そうなんだよー、たまに見るでしょ。
10年くらい前にちょっと流行して、それからそこそこ定着してるんだよ。名前は「ワイルドキャット・フォーメーション」って変わってるんだけどね。
プレーのコンセプトも若干違って、後でやるけどオプションっていうプレーに近くなってる。古いものを掘り起こして改良して使うってこともときどきあるんだね。
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