[イルカ観察日記]アジャイが去って妙な希望が残った第9週 OAK@MIA レビュー
<結果>
OAK 27-24 MIA
最終スコアとしては3点差ですが、MIAの最後の7点はOAKのうっかりみたいなものなので、実際は10点差と見てもいいのかなあ、という負けでした。
とはいえ、RB23アジャイが抜けて今年はもう何もできないオフェンスなんだろうと思っていたのに反して、意外と希望が残る内容ではありました。
負けの原因はどちらかというと試合展開。モメンタムをつかめなかったっていうだけでした。
今年の勝ち試合のように、なんか不思議な展開のうちに、内容的にはまったくどうしようもないのになぜか勝っちゃったみたいなのよりも、個人的にはむしろ今週の試合の方が面白かったんですよ。
<オフェンス>
そこそこの成果はあった。
すくなくとも今年一番まともに見えました。
まぐれでないこと、OAKのディフェンスの出来が悪かっただけでないことを願います。
■ランニングバックたち
RB23アジャイ衝撃の移籍から一週間、もちろん補強もなく、まあダメだろうと予想されていましたが、まあダメでした。
主なところでは、
RB32ドレイク 9回 69ヤード
RB26ダミエン 7回 14ヤード
しかも、ドレイクが1回40ヤード越えのロングゲインと、10ヤードくらいのちょっと出たプレーがあったので、その2つの他の14回のランプレーはほぼゲインなしの印象。
その代わり、RBへのパスが増えました。
RB32ドレイク 6回 35ヤード
RB26ダミエン 6回 47ヤード 1TD
この部分がアジャイがいたころにはほぼゼロだったところ。トータルで見ると、RBの2人でスクリメージからのゲインが165ヤード。まあRBのゲインとしては増えてるかなくらいの印象になりました。
まったく安定感はないけどな。
■カトちゃん
QB6カトラーのパスが、なんか今年初めてNFLっぽい数字に。
42回中34回成功 311ヤード 3TD 0INT
立派じゃないですか。
相変わらず高級ホテルのドアマンくらいの丁寧さで一瞬だけ相手のパスラッシュを確認する程度で通してしまうパスプロなのですが、どうにかカトちゃんが逃げ回ってるうちに、なんとかレシーバーがフリーになるというパターン。
どこまでがデザインされたルートなのかわかりません。
しかも早いタイミングパスは逆に成功率が悪かったような印象で。
先週のQB8ムーアたん撃沈を見ても、やっぱりこの逃げ回りながらレシーバーを探すスタイルしか今年はできないんでしょう。で、それができるのは今のところカトちゃんしかいない。
というわけで、今年の残り試合はカトちゃん任せっぽいよ。
■レシーバーたち
とはいえ、どうにかフリーになるというのもレシーバーたちの個人技な感じ。怪我からWR11パーカーが戻り、WR10スティールス、WR14ランドリーとともに、苦しみながらもなんとかオフェンスを成立させていたという印象でした。
特に、カトちゃんがパスラッシュから逃げて投げられるタイミングが来た時に、レシーバーがかなりQB側に戻って捕れる位置にいるとか、なんだかカトちゃんのリズムが分かってきたんじゃないかっていうような。
そしてカトちゃんのタイミングに慣れてきたっぽい人がもう一人。
TE89トーマスが好調でした。
いままでの試合ではカトちゃんからトーマスへのパスはほとんどがターンボールに見えるほどで、そのせいかトーマスもポロリだらけでした。が、パスは正確になったし、ポロリもしなくなったし、良い傾向。
この試合キャッチ6回、84ヤード。前週までの7試合合計で17回168ヤードだったのに比べると別人。TEとRBのパスが、このまま好調だとなんとかオフェンスが成立するかなあ。
■OL
問題はここ。
両タックルはまあわりとまともだった。LT67タンシルはマック相手に頑張ってたと思うんだけど。
特に大きな問題はガード。IRから復帰したラーセンは結局出られず、今週も77デイビスと74ブシュロッド。なかなか不調。
来週はラーセン出られるかなあ。
<ディフェンス>
こちらは特に変化なし。
なさ過ぎて、そろそろ対応されそうで怖い。いや、されてる。
■ランディフェンス
まあまあ。基本的には止められていました。
ゴール前になると、疲れちゃうのか、あきらめちゃうのか、もしくはOAKのOLとRBリンチが本気出すのか、あっさり取られちゃってましたけど。
あと、DT93スーさんが失敗するとロングゲインになるのは構造上どうしようもないんでしょうか。
■パスディフェンス
ちゃんとパスカバーができるDBの駒が少なすぎるので仕方ないのかもしれませんが、固定しすぎるようで。
両CBが、CB25ハワード、CB30タンカーズレイ。ここはまだ良い。
スロットのあたりに置かれるニッケルが、DB27スミス、DB28マッケインのどちらか。これが不安。
目の前に相手のエースWR89クーパーが来ても、この並びは変えないもんだから、そりゃ無理だよーって気分になる。
そしてTEの前にはほぼ常にLBを置き続け。そりゃカバーできないよー。
こんなに簡単にミスマッチをつくられてしまっちゃ、ブレーデー様とか相手のときにどうなるんだっていう恐ろしさしかないわけで。
■しかし理想はあるらしい
たまーに、DBがスイッチしたり、ゾーンブリッツをしたりするんです。
でも、それが不発なんですよ。
さらに逆効果になることも多くて、アサイメント間違えたり、反応が遅れたりして、結局だめなんです。
去年は結構決まってたんだけどな。今年中に上手くいくようになるのかな。
<展開の下手さと勝負弱さ>
で、今週に限っては、負けの原因はオフェンスディフェンス各々ではなかったと思います。
試合の作り方が下手すぎたんですね。
まずパントが飛ばなすぎて、フィールドポジションが悪い。フィールズたん戻ってこないかな。
そしてモメンタムのつかめなさ。
2Q頭に逆転タッチダウンをして、しかも突然のびっくりオンサイドキックが成功して、さらに良いドライブが始まったところで、ファンブル。
4Qに入ったところ、4点負けてるところで、相手がファンブルしてくれて、さあオフェンスという場面で、反則して3&OUT。
その次も相手がポロリしまくってくれて、まだ良いフィールドポジションで、絶好の逆転チャンスというところで、反則して3&OUT。
で、ディフェンスが反則しまくってタッチダウン取られて実質終了、と。
勝てないチーム丸出しの展開でした。
<4勝4敗になりました>
来週はパンサーズ。
ディフェンス1位。ドルフィンズはオフェンス最下位を抜け出したものの、31位。出る気がしません。
頼るところがレシーバー陣の根性だけなんだなあ。
MIAディフェンス対CARオフェンスでは、相手RBマキャフリーに対応するためにMIAのSS20レシャッドが前に出て、裏に長いの通されるという悲しい展開が予感されます。
来週から復帰するであろうFS22マクドナルドがその裏をカバーしてくれればいいのですが、と。
しかしこのチームに3週連続ナイトゲームやらせるなんてNFLも鬼ですよね。
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