[イルカ観察日記] MIA@NYJでダーノルドに初黒星をつけて地区首位に躍り出たweek2

[イルカ観察日記] MIA@NYJでダーノルドに初黒星をつけて地区首位に躍り出たweek2

ラッシュを避けられずファンブルするタネヒル

開幕戦ふんわりした感じで勝ったMIAは、2週目は期待されまくりのルーキーQB14ダーノルド率いるジェッツ。しかもジェッツも先週は爆発的な力を見せて勝っちゃってる。
今シーズン初の同地区ゲームで、ダーノルドにプロの洗礼を浴びせられるか、それともいきなり苦手意識を持っちゃうことになるのか、結構大きな試合になりました。

結果はなんとか勝って連勝。

まあジェッツが勝敗よりもダーノルドの育成を優先したのが理由のような気はしますけれど、ともあれ地区首位ですから。地区首位ですから。

<試合展開>

■先制

両チームともオフェンスに苦労する展開になりました。ジェッツはQBがルーキーだし、ドルフィンズはQBがタネヒルだしね。
それでもドルフィンズがターンオーバーを足掛かりにタッチダウンを2つ先取、さらに2Qには珍しく良いドライブができ、珍しくタネヒルの空いた場所に投げ込むタッチダウンパスも決まって、前半だけで20点も取れました。

■ピンチ

モメンタムがジェッツに行きかけたのは3Q。後半最初のドライブをきれいに決められて、さらにタネヒルファンブルが炸裂してジェッツがゴール前12ヤードから攻撃を再開。
大ピンチ。
しかし、ここでCB25ハワードがエンドゾーン内でインターセプト。なんとか試合を落ち着かせることができたのでした。

■作戦タネヒル(のラン)

ピンチを逃れてからは、必殺タネヒルに投げさせない作戦で時間をつぶし、守り勝ちました。

■勝因

ゲームボールは、この試合でラッシング歴代4位に上がったRB21ゴアさんだったそうで。試合を決めるファーストダウンもゴアさんだったし、記念だから良いんですが、この試合の実際のMVPはパンターの2ハーク。
ジェッツのパントリターン後の攻撃開始地点は、すべて自陣、4ヤード、10ヤード、17ヤード、8ヤード、7ヤード、14ヤードから。ドルフィンズは非常に良いフィールドポジションをキープできていました。
勝因はこれ。おかげで比較的落ち着いてディフェンスができていました。

<ポジションごと>

■オフェンス

慎重に慎重に、というプレーコールでした。相手のオフェンスもまだ破壊力はそれほどでもなかろうという算段があったんでしょう。
結局序盤のタッチダウン2本はどちらもターンオーバーを奪った後のシリーズだったので、ゲームプラン当たりってことかなと。
みんなで我慢して…って思ってるのにさらりとファンブルロストするタネヒルにも困りますが。

■タネヒル

タネヒルだって元全体8位。全体3位ルーキーのダーノルドとの対決で意気込んでいたとは思うのですが、まあいつも通りでした。
特にポケットワークはね、ダーノルドの方が上手なんじゃないかな。今年はラッシュが来たら目で確認するようにはなったのですが、確認するだけでそのままサックされる。しかもファンブルもする。ラッシュが来てるのちゃんと見るのにボールを叩き出される。なぜだ。
つまり、ラッシュにまったく気づかずにただサックされてファンブルしていたころと、結果としてはなんにも変わりません。
ブリッツくるなーっていう気配がしただけで、もうプレー始まる前から絶望します。
タネヒルサック・バージョン2.0って感じ。

パスの方もTEに投げ込んた1本だけは良かったけれど、あとは簡単な振り分けパスだけ。レシーバーが抜けてるのにパスが悪くて…っていうのが少なくとも2回。
で、リードした後半はできるだけタネヒルに投げさせないプレーコールに移行されてしまいました。

■RB

ランは先週からそこそこコンスタントにゲインできています。
RB32ドレイク:11回53ヤード
RB21ゴアさん:9回25ヤード
QB8タネヒル:8回44ヤード
ドレイクとゴアさんにもう10回ずつ持たせても体力的には問題ないとは思うのですが、あまり増やしませんねえ。

■WR

タネヒルのパスが17回成功168ヤードという、ごく短い左右に振り分けるパスしかなく、レシーバー陣にはストレスのたまる内容だったかも。とはいえ、相手セーフティーが囮役に釣られたせいでアクロスがそのままタッチダウンになったりもしたので、一応プレーとしては機能していたとは思われます。
せっかくレシーバーが抜けてるのにタネヒルのパスがアレで…っていうのも何度かありましたけどね。

■OL

LG71シットンがシーズンアウトで、代わりに62ラーセンがスターターに。
Cと両Gとの連携にかなり不安なプレーもありましたが、大崩壊とはならず。まあ4サック2ファンブル食らってますけど。それがスタンダードって感覚がアレですけど。タネヒルだし仕方ない。
ジェッツがそれほど派手にブリッツ入れて来なかったのも助かったとは思いますが。どうにかこのままCと両Gと騙し騙し上達していっていただきたい。
ランブロックについては、それほど押せてるわけではなかったものの、LOSを割って入られるほど崩壊してもおらず。RBが無理やり押し込んでゲインする程度か、ゾーンブロックの隙間をついてゲインするくらいはできていました。平均獲得ヤードは悪くなかったので、まあ合格点でしょう。

■ディフェンス

ジェッツのオフェンスがまだ単調だったこともあり、ドルフィンズのディフェンスもわりとオーソドックスだったような印象です。それで止まったんだから良かった。
また、1QのFS22マクドナルドのインターセプトは、一度内側のTEをカバーすると見せかけてから外に動いてINTという、相手QBを罠にはめるプレーで非常にかっこよかった。
前任のDCのジョセフがわりとこういうプレーコールを得意にしていて成功率も高かったんですが、去年バークがDCになってからは空振りが多くなってしまっていました。これがまた決まり始めると、一昨年の妙な連勝したときのような魔空空間が生まれるかも、っていうのを期待したい。

■DL

非常に安定していたのがDTで、中のランも結構止められてました。
97フィリップス、93スペンス、56ゴッチョー、96テイラーがローテーションしつつ、誰が特に目立つってわけではないものの、平均的に良い感じを保ててました。これで良い。
ジェッツのラン獲得は42ヤード。こんなにランディフェンスが良かったのはいつ以来でしょう。

DEも94クインを中心に好調。91ウェイクさんも元気だし、50ブランチと90ハリスも悪くはない。両DEが早くコンテインできているので、QBがLOS方向に逃げるしかなくなって、DTのサックが増えているような感じ。
こちらも91ウェイクさんが怪我なく、90ハリスが成長していけばいいなあ。

■LB

ちと心配なのがここ。47キコは良く動いて目立っていましたが、若い52マクミランと55ベイカーが、やはりリアクションが遅れがちで。まあ実質ルーキーコンビだし、経験積んで…って我慢するしかないのかなあ。
パスカバーもLBのゾーンがザルだというのはジェッツにも分かっているはずなんですが、意外と投げてこなかったのもラッキーだった。

■DB

FS22マクドナルドとSS20レシャッドの両セーフティーは元気に動き回ってたし、CB25ハワードも安定してた。
で、29ミンカたんも、ちょっと危ないプレーもあったけど、スロットレシーバーとマンツーマンになっちゃってもその時点で絶望することはない。
CB28マッケインが厳しいなーっていう場面は少なくないんだけれど、今週は特に狙われることもなかったので助かった。

<来週>

そんなこんなで、今週はジェッツがダーノルド育成に主眼を置いていて、勝つために偏ったプレーコールをしてこなかったおかげで、もろもろ上手くいったような気もしますが、ともあれ地区首位である。
で、来週はレイダース。こちらもHCが変わって、チームも大きく揺れ動いていて、準備不足できてくれるんじゃね? という淡い期待をしつつ、地区首位期間を楽しみます。





関連情報

  1. マホがブレーデー様並みになったとか10年早いぞコラ!(完成形に近づきすぎなんだよ10年くらい迷走してこい)という話
  2. ドルフィンズの2023シーズンまとめ
  3. 敵は寒さかパスラッシュか。予想通りの結果になっちゃったワイルドカードプレーオフMIA@KCレビュー
  4. 圧倒的劣勢な環境のWILD CARD MIA@KCプレビュー
  5. スーパーボウル優勝候補のビルズをあと一歩まで追い詰めたぞ!ドヤァ!!のweek18 BUF@MIAレビュー
  6. ついに真価を見せたIf HealthySことドルフィンズだったweek17 MIA@BALレビュー
  7. 実力的には…とかどうでもいいんだ勝ったんだから!のweek16レビュー
  8. 快勝!の裏でIf Healthyっぷりが本気を出し始めている怖さ…のweek15 NYJ@MIAレビュー
  9. ぐずぐずしてそのまま負けたweek14 TEN@MIAレビュー
  10. 今年1番の完勝だった。が、ベイカーの怪我が痛いなーな、week13 MIA@WAS レヴュー


コメントを残す