[イルカ観察日記] 番外編。ドラフト全体1位指名権を得たチームがQBを指名するのと、トレードアップして指名するのと、どっちが良いのか問題。

[イルカ観察日記] 番外編。ドラフト全体1位指名権を得たチームがQBを指名するのと、トレードアップして指名するのと、どっちが良いのか問題。

指名とトレードダウンどちらがお得?


ドラフト全体1位で指名されるQBは大変です。注目度がすごいのもですが、何よりも指名されて入るチームが弱いんですから。弱いからこその全体1位指名権。すごい才能のQBが入っても、その力だけで打開できるとは限りません。

では、ドラフト全体1位をトレードアップで獲得した場合はどうでしょう。
トレードアップするということは、他の指名権や、来年以降の指名権を手放すことです。全体1位でQBを指名する代わりに、本来できたはずの幅広い補強を捨てているともいえます。

どちらにしろ大きな勝負ではありますが、成功率はどっちが高いんでしょう。

IMG_AP_19314242717897.jp_3_1_D5H4CCBN_L518797426

過去21人のゆくえ


1983年のエルェイ以降という恣意的な切り取り方をしますけれど、全体1位で指名されたQBは21人いました。
全体1位の半分くらいはQBなんですね。
そのQBたちの中で、

成功


プロ入りから4年以内にプレーオフに進出して、さらにその後でも良いので指名されたチームでスーパーボウルに勝ったQBを成功とします。


プロ入りから4年以内にプレーオフに進出したし、そこそこ活躍したんだけれど、スーパーボウルは勝てなかったQBを△としておきます。

失敗


プロ入りから4年以内にプレーオフに進出できなかったQBは失敗とします。

トレードアップ組


5人中、成功2人、失敗1人。
ゴフはまだこれから成功に上がる可能性もありますし、結構成功率が高いような印象です。でもまあ、エルウェイとイーライはチームが最初から狙ってトレードアップして指名したわけじゃないからなあ。

成功


1983 DEN ジョン・エルウェイ
2004 NYG イーライ・マニング


2016 LAR ジャレッド・ゴフ
2001 ATL マイケル・ヴィック

失敗


1990 IND ジェフ・ジョージ

そのまま指名組


16人中、成功2人、失敗6人。
メイフィールドとマレーは今年プレーオフに出るけどスーパーボウルは勝たないという予測で△にしています。
現状△のニュートンとスタフォードはまだ成功に上がる可能性は残っています。あれ、ニュートンはチーム変わってるけど、どうしよう。
デビューから4年の間にプレーオフに行けていないので今は失敗にいますが、アスミスとウィンストンはまだまだ現役。

ということで、これから成功が増えるかもしれませんが、それでもやはり成功率が低い。やっぱり弱いチームに入ると大変ということか、弱いチームだからこそ指名も下手ということなのか。

成功


1989 DAL トロイ・エイクマン
1998 IND ペイトン・マニング


1993 NE ドリュー・ブレッドソー
1999 CLE ティム・カウチ
2003 CIN カーソン・パーマー
2009 DET マシュー・スタフォード
2011 CAR キャム・ニュートン
2012 IND アンドリュー・ラック
2018 CLE ベイカー・メイフィールド
2019 ARI カイラー・マレー

失敗


1987 TB ヴィニー・テスタバーディ
2002 HOU デビット・カー
2005 SF アレックス・スミス
2007 OAK ジャマーカス・ラッセル
2010 STL RAMS サム・ブラッドフォード
2015 TB ジェームス・ウィンストン

トレードダウン組


ちなみに、全体1位指名権を取ったけどトレードダウンして、トレードした相手がQBを指名したチームはどうなるのかと見てみたら、
5回中、成功0、失敗2。


2001 SD
2004 SD
2016 TEN

失敗


1983 COLTS
1990 ATL

全体1位でQBを指名したいチームがトレードアップを持ちかけてきた場合、もともと全体1位指名権を持っているチームは断った方が良いということになります。過去事例からみたら。
しかし、そのまま指名しても成功率は低い。
全体1位を獲得するチーム=ダメダメ、ということなので、どちらにしろやっぱりダメということでしょうか。悲しい事実。
我々の才能が無駄に終わらせられたのはドラフト制度のせいだ! とか言って過去のバストたちがNFLを訴えたりしたら怖いですね。

過去事例


以下、エルウェイ以降のドラフト全体1位QBの成績です。

1983 DEN ジョン・エルウェイ


トレード内容
DEN:1巡4位、翌年の1巡、バックアップQB
BAL(コルツ):1巡1位

1年目:9-7 WC(WC負)
2年目:13-3 地区優勝(DIV負)
3年目:11-5
4年目:11-5 地区優勝(SB負)
SB勝ったのは1997(15年目)

ちなみにCOLTS
1年目:7-9
2年目:4-12
3年目:5-11
4年目:3-13

1987 TB ヴィニー・テスタバーディ


1年目:4-11(6試合出場)
2年目:5-11
3年目:5-11
4年目:6-10

1989 DAL トロイ・エイクマン


1年目:1-15
2年目:7-9
3年目:11-5 WC(DIV負)
4年目:13-3(SB勝)

1990 IND ジェフ・ジョージ


トレード内容
ATL:1巡1位、4巡、翌年2巡か3巡(コルツの翌年1巡の価値による)
IND:OL、WR、5巡、翌年1巡

1年目:7-9
2年目:1-15
3年目:9-7
4年目:4-12

ちなみにATL
1年目:5-11
2年目:10-6 WC(DIV負)
3年目:6-10
4年目:6-10

1993 NE ドリュー・ブレッドソー


1年目:5-11
2年目:10-6 WC(WC負)
3年目:6-10
4年目:11-5 地区優勝(SB負)

1998 IND ペイトン・マニング


1年目:3-13
2年目:13-3 地区優勝(DIV負)
3年目:10-6 WC(WC負)
4年目:6-10
SB勝ったのは2006年(9年目)

1999 CLE ティム・カウチ


1年目:2-14
2年目:3-13
3年目:7-9
4年目:9-7 WC(WC負)

2001 ATL マイケル・ヴィック


トレード内容
ATL:1巡5位、翌年2位、WR
SD:1巡1位、3巡

1年目:7-9
2年目:9-6-1 WC(DIV負)
3年目:5-11
4年目:11-5 地区優勝(CC負)

ちなみにLAC
1年目:5-11
2年目:8-8
3年目:4-12
4年目:12-4(WC負)

2002 HOU デビット・カー


1年目:4-12
2年目:5-11
3年目:7-9
4年目:2-14

2003 CIN カーソン・パーマー


1年目:8-8
2年目:8-8
3年目:11-5 地区優勝(WC負)
4年目:8-8

2004 NYG イーライ・マニング


トレード内容
NYG:リバース、3巡、翌年1巡、翌年5巡
SD:イーライ

1年目:6-10
2年目:11-5 地区優勝(WC負)
3年目:8-8 WC(WC負)
4年目:10-6 WC(SB勝)

ちなみにSD
1年目:12-4 地区優勝(WC負)(QBはブリーズ)
2年目:9-7 (QBはブリーズ)
3年目:14-2 地区優勝(DIV負)
4年目:11-5 地区優勝(CC負)

2005 SF アレックス・スミス


1年目:4-12
2年目:7-9
3年目:5-11
4年目:7-9

2007 OAK ジャマーカス・ラッセル


1年目:4-12
2年目:5-11
3年目:5-11(途中先発から降ろされる)
4年目:8-8(出てない)

2009 DET マシュー・スタフォード


1年目:2-14
2年目:6-10
3年目:10-6 WC(WC負)
4年目:4-12

2010 STL RAMS サム・ブラッドフォード


1年目:7-9
2年目:2-14
3年目:7-8-1
4年目:7-9

2011 CAR キャム・ニュートン


1年目:6-10
2年目:7-9
3年目:12-4 地区優勝(DIV負)
4年目:7-8-1 WC(DIV負)

2012 IND アンドリュー・ラック


1年目:11-5 WC(WC負)
2年目:11-5 地区優勝(DIV負)
3年目:11-5 地区優勝(CC負)
4年目:8-8(怪我)

2015 TB ジェームス・ウィンストン


1年目:6-10
2年目:9-7
3年目:5-11
4年目:5-11

2016 LAR ジャレッド・ゴフ


トレード内容
LAR :1巡、2巡2つ、3巡、翌年1巡、翌年3巡
TEN:1巡1位、4巡、6巡

1年目:4-12
2年目:11-5 地区優勝(WC負)(ここからHCマクベイ)
3年目:13-3 地区優勝(SB負)
4年目:9-7

ちなみにTEN
1年目:9-7
2年目:9-7 WC(DIV負)
3年目:9-7
4年目:9-7 WC(CC負)

2018 CLE ベイカー・メイフィールド


1年目:7-8-1
2年目:6-10
3年目:今年

2019 ARI カイラー・マレー


1年目:5-10-1
2年目:今年





関連情報

  1. マホがブレーデー様並みになったとか10年早いぞコラ!(完成形に近づきすぎなんだよ10年くらい迷走してこい)という話
  2. ドルフィンズの2023シーズンまとめ
  3. 敵は寒さかパスラッシュか。予想通りの結果になっちゃったワイルドカードプレーオフMIA@KCレビュー
  4. 圧倒的劣勢な環境のWILD CARD MIA@KCプレビュー
  5. スーパーボウル優勝候補のビルズをあと一歩まで追い詰めたぞ!ドヤァ!!のweek18 BUF@MIAレビュー
  6. ついに真価を見せたIf HealthySことドルフィンズだったweek17 MIA@BALレビュー
  7. 実力的には…とかどうでもいいんだ勝ったんだから!のweek16レビュー
  8. 快勝!の裏でIf Healthyっぷりが本気を出し始めている怖さ…のweek15 NYJ@MIAレビュー
  9. ぐずぐずしてそのまま負けたweek14 TEN@MIAレビュー
  10. 今年1番の完勝だった。が、ベイカーの怪我が痛いなーな、week13 MIA@WAS レヴュー