開幕記念の勝ち星プレゼント[イルカ観察日記]NFL第1週MIA@SEAレビュー

開幕記念の勝ち星プレゼント[イルカ観察日記]NFL第1週MIA@SEAレビュー

MIA 10-12 SEA
まあ、開幕のふりをしていますが、プレシーズンの5試合目です。
今年はあと15試合プレシーズンゲームがあります。
結果としては逆転負けとなりましたが、それでも残り2分を切ってからの逆転。点差もたった2。強いチームに対してこれなら十分な収穫があったと一瞬思われつつも、実は相手は結構な余力を残していたんじゃないかという疑惑が消えません。

◼︎ジャブしか打たない両チーム
1Qの最初2シリーズほどは、SEAはほとんど両サイドへのヒッチしか投げないし、MIAはスクリーンの比率がやたら高い、慎重すぎる立ち上がりとなりました。まあ、MIAの場合、スクリーンくらいしか頼れるものがないとも言えるわけですし、SEAにすれば、去年のMIAのタックルできなさを考えれば、とりあえずヒッチでもズリズリ進めるかもっていうのを期待してのことだったのでしょう。つまりMIAは消極的な慎重さで、SEAは積極的な慎重さだったとも言えるでしょう。

◼︎スティールス試合を決めるポロリ
そして、試合を決めるプレーは早々に。MIAの3シリーズ目。それまでスクリーンやら、バックへのスリングやら、LOS付近で左右に投げるだけだったところに、裏をかいて縦にぶち抜いたスティールスへのロングパス。MIAでは速い担当のWRであるスティールスは、今年のプレーブックでは結構キーになるだろうなあ、とプレシーズンゲームでの結果でも感じられていました。
そのスティールスが完全にフリーになっていた。
パスもタネヒルにしては上手にコントロールされている。
これは70ydsタッチダウン。
そう誰もが思った次の瞬間。
豪快なポロリ。

MIAMIドルフィンズのスティールスの豪快な落球

このお膳立てでこのコールは一回しかできない。他に飛び道具がありそうにはない。つまり、もう点なんてまともに取れないや、ってことは負けだね。誰もがそう思ってしまいました。
実質的にはこの瞬間に勝負あったんだね。

◼︎2つの幻のFG
ポロリと同じく、結果的にはFGを2本損したことも、敗戦の大きな要因となりました。
一つは、当然FGは決まる位置でのギャンブル失敗。これはまあ、試合開始から間もないときでしたし、成功していれば大きなリターンを得られたはずなので、リスクを取っただけということで良いかと。
ただし、2つ目はいかん。試合も終盤に差し掛かったところでの、それほど難しくない距離。決まれば同点という場面で、ブロックされての失敗でした。ルーキーOLタンシルが押し込まれたのが原因とされてましたが、キックも低かったよな。

◼︎流れを変えたスーの濡れ衣
ドルフィンズにとっては、得点できたはずのところでの失敗も大きかったのですが、試合の流れを決定づけたように見えたのは、違うところでした。
3Q開始直後、後半ひとつめのSEAのオフェンスシリーズ。MIAのDLが良いプレッシャーをかけて、ウィルソンが半ば自ら倒れて大事を避けたように見えた。が、そのときにウィルソンが自分で足首をひねったらしく、痛がっていた。
そこにたまたま居合わせたのがスーさん。
そして、シアトルの多くの人には、スーさんがウィルソンを踏んだように見えたわけです。
そこから一気にSEAのテンションが上がった。
ついでにラフさも一気に上がった。
つまり本来のSEAが出てきた。本気モードになっちゃった。
MIAとしては、最後の最後、勝負のときまで、SEAには慎重さを保っていて欲しかったはず。その方が怖くないから。でも、ここで流れが変わっちゃった。審判がうまいこと両チームにパーソナルファールを取ってくれて、いったんラフさは静まったものの、やはり勝負モードに入ったSEAはそれまでとはちょっと違っていた。後半最初からこのテンションのSEAの相手はしたくなかった。

◼︎勝負どころを見極めた実力者SEA
まあ、いろいろと負けの原因は思いつくものの、結局のところ、前後半2ミニッツでの得点、
SEAは10点、MIAは0点。
これが全てなのだろうと。
大事なところで確実に勝負できるように試合全体を組み立てる。それができるのは、きちんと完成したチームだけなわけで。勝負強さ云々という前の段階で、すでに同じステージには上がれていない両チームでした。

◼︎つまり、点差以上の順当な負け
ま、そういうことです。

以下、個々の良かったところ、悪かったところなど、思いつくままに。

◼︎DLのお仕事
ラッシュは結構良かった。ウィルソンが長いパスを投げなかったのも、ラッシュ警戒というのも大きかったのでしょう。特にウェイク、マリオ、スーが揃った時は強かったし、フィリップスも成長してる。なんにしろ、DLが崩壊したらディフェンスが成り立たないんじゃないかっていう構造にはなっている。
しかし、ウェイクはプレー数が制限されていて、マリオは脳震盪で途中退場。控えのDEたちはいまいち頼りない。こまった。

◼︎タックルできた
去年に比べて最も違っていたのが、相手のランが止められたこと。特にタックルがきちんとできたことが大きい。DBは相変わらず、スターターの4人で19タックル16アシストとかだし。去年どうしようもなかったLBもスターターの3人で9タックル19アシスト。
LBは派手に目立つプレーは少なかったものの、きちんと常にボールの近くにいた。プレシーズンでは心配だったILBキコも安定していたし、手術明けのOLBジェンキンスも間に合った。
まだ信用しきれないのでランプレーやられるたびにヒヤヒヤはするものの、ちゃんと止まるって素晴らしいですね。

◼︎層の薄いDB
一方で、パスカバーのザルさはあまり進歩がないような。両CBはシャットダウンというほどではない。大きなミスはないし、タックルできたからいいんだけど。
でも問題はニッケル。控えFSのトーマスと、控えCBのマッケインが入っていたが、ここを狙われると弱すぎた。特に相手オフェンスがノーハドルになるとカバーも単調になってザルザルしさが露呈。前後半2ミニッツに得点されたのはこれも大きかったのでは。
期待のCBリペットくんは、スペシャルチームでしか見かけなかったけど、どこか痛めたりしてるんだろうか。

◼︎急造OL
パウンシーの怪我で、Cに控えのスティーンが入ったことにより、Cと両Gが、このポジションでは初先発とかいう初々しすぎる状態に。
結果、パスプロはそこまでひどくはなかったものの、ブリッツ処理には問題あり。ランブロックもぜんぜんダメ。つまりはプレーの読みと、アサイメント、コンビネーションとか、練習すれば良くなることではあるんでしょうけれど。じゃああとどれくらいで良くなるかっていうのは見えない。

◼︎タネヒル
やってることもプレーの質も去年とあまり変わってはいない。でもプレーコールが当たることが去年よりはずっと多かったし、多少はボム系も上達しているようで、あの決定的なスティールスのポロリが生まれる程度には進歩してるらしい。去年までだったら、ああいうプレーでは捕れるパスは飛ばなかった。
相変わらず、空いてるレシバーを見つけられないのと、DLにパスをぶつけるのが治らないのが問題。明らかにブリッツがくるっていうのを見逃すのと、残り30秒くらいで逆転のためのオフェンスが回ってくるだろうっていうときにムーアたんとニコニコ雑談してるのも問題。
あれ、問題だらけじゃないか。

◼︎移籍組
ILBキコと、SSイサはなかなか良い出来だった。
CBマックスウェルとRBフォスターは及第点。

◼︎欠席者たち
Cパウンシーはまだ何試合かかかりそう。WRパーカーは来週は出られるのかどうか。CBリペットは本業もできるのか。
そしてデプスチャートに不満で拗ねちゃったRBアジャイは戻ってくるのか。プレシーズンの出来だけ見たら、スターターじゃなくても仕方ないぞ。

来週はNE戦。ブレーデー様がいないからやる気も起きず、ボケボケしてる間に負けちゃうんだ、という言い訳を先にしつつ。
開幕戦を見た感じ、NEはオフェンスはやはりランが多かったので、これがまず止まるかどうか。さらにQBガロッポにプレッシャーがかけられるかどうか。MIAのDBは開幕戦では縦にはついていけてたけど、アクロスには弱かったので、エデルマンにやられそうである。
NEのディフェンスは、なんかパスカバーが良いなあっていう印象。これをかいくぐってパスを通す力がタネヒルにあるのかね。ブリッツもバリエーション持って急造OLを揺さぶってくるだろうし。

◼︎追伸
DTミッチェルが怪我をしたのに伴った補強のために、ドラ下位QBダウティーを放出。どこにも取られずにPSに入れることになるのかなとは思うけれど。





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