[イルカ観察日記] NFL2018 week1 TEN@MIAレビューと、week2 MIA@NYJプレビュー
■TEN 20 – 27 MIA
開幕戦はホームにTENを迎えて。
結果は、TEN 20 – 27 MIA
両チームのファンから等しくため息の漏れる内容ではありましたが、勝ち星っていうのがついただけドルフィンズ側に救いのある試合だった、というのが感想です。
■試合の流れ
途中で2回、雷雲接近による中断を挟む試合となり、合計4時間も待機していたという、非常に特殊な流れの試合となりました。そのせいか試合展開もちぐはぐ。とりとめのない印象が残りました。
2時間ほどの中断を含んだ前半は TEN 3-7 MIA で終了。
さらに3Q残り7分くらいのところで2度目の中断。ここまではロースコアの展開でした。
ただ、その中断が開けた3Q残り7分弱からは殴り合い(なのか、譲りあいなのか)になり、4Qは17点ずつ取り合うという雑な結末。お互いに集中力が切れかけたようにも見えましたが。
ともあれ、タネヒルがひどいパスを投げてインターセプトされた直後に雷で中断、再開後にやはり集中が切れたかマリオタがひどいパスでインターセプトをくれたり。ディフェンスが疲れたかズルズルとドライブされて同点に追いつかれた直後のキックオフでリターンタッチダウンできたり。
モメンタムがあまりどちらかにとどまらなかったのが、幸運な勝利につながった試合でした。
■オフェンス
全体としてはひどい出来でしたが、多少の収穫もありました。
・ランがわりと計算できた
RBのラン獲得ヤードは、
ゴアさんが、9回 61ヤード、
ドレイクが、14回 48ヤード、
合計で23回109ヤード。
大した距離ではないものの、1回平均では4.7ヤードと、なかなかの安定感を見せました。
ドレイクもゴアさんもまだ体力的には問題なさそうだったので、もっと増やしても大丈夫そうです。
・OLが崩壊はしなかった
ランでもそれなりにゲインしつつ、パスプロもそれほど悪くなかった。QBがタネヒルだから当然サックもあったけれど、少なくとも崩壊というレベルではなかった。それだけでもいい。
・プレーコール意外と豊富
プレシーズンではとんでもなく単調なプレーコールしか出ず、もしやまるっきり練習が進んでいないのではという不安すら抱かせました。
が、この日はまだそこそこのパターンのプレーが見られました。WRウィルソンを幅広く使ったり、一発奥を狙うプレーコールがあったり、それなりに相手の意表をつける内容だったかとは思われます。成功率は別として。
・成長しないタネヒル
一方、タネヒルはやっぱり今年もタネヒルのようで。
まず、バックショルダーのパスが相変わらず絶望的に下手なまま。
ゴール前で中央に選手を集め、離れた位置に長身TEゲシキだけを置く。相手ディフェンスも対応し切れずゲシキの前にはDB1人だけ。絶好のミスマッチを作れました。
その場面でまったく捕れそうにない短いパスを投げてインターセプト。
何をしてるんだと。
また、もう一つ食らったインターセプトは、レシーバーが空いていて、レシーバーが今いる位置に投げるだけで通るような場面で、なぜか奥に投げ込んでしまったやつ。何してんだ。
ディフェンスが見えないのはあきらめてプレーコールを出しているとしても、味方のレシーバーまで見えないんじゃどうしようもない。
もちろん、タネヒルサックもあったよ。
・基本的に5ydsのパスと、3rdダウンコンバージョン20%
どんな場面でも、もちろん3rdダウンロングでも、パスは基本的に5ヤード。それで成功率65%になってもさ、ドライブできませんからね。
3rdダウンコンバージョン2割だし。
2度目の中断が開けた後で、急に長いパスを投げ始めたのが不思議なくらい。なら最初から長いのも混ぜようよ。
■ディフェンス
ディフェンスはかなり持ちこたえていて、おかげで試合になった印象です。
・DEがかなり調子よかった
結果としてこの試合でのサックはゼロだったものの、常にQBにプレッシャーはかけられていた印象。特にマリオタは素早いパスしか投げられず、落ち着けていなかったように見えた。
その結果としての3インターセプトだと思うので、サックはなくてもいいじゃないか。
・DLが崩壊しなかった
スーさんがいなくなってどうなることやらと言われまくっていたDLだけれど、プレシーズンからそれなりに安定してはいる。少なくとも崩壊してはいない。
この試合はランを120ヤード以内に抑えて、なんというかMIAとしては十分に成功と言える範囲。
・期待通りのセーフティー陣
SS20レシャッドはインターセプトもいただき、爆裂タックルも決め、
FS22マクドナルドはそれなりにタックルもしていて、
ルーキー29ミンカたんは素敵なスピード感を見せてくれた。
この3人は計算できる存在であり、MIAディフェンスの柱っていうことになると思われます。
・たまには当たったプレーコール
現DENのHCジョセフがDCだったころ、結構な確率でディフェンスのプレーコールが当たっていました。ブリッツも当たる、さらにはゾーンブリッツも当たってインターセプトも稼ぐ、みたいな。
それが去年、現DCに変わってまったくなくなってしまいました。経験と洞察力のせいなのか、そもそものセンスの問題なのかはわかりません。
が、この試合ではいくつか当たりなプレーコールもあった。
大当たりとは言えなくても、いい感じのコールも。特に、対パスユニットと対ランユニットの切り替えはそれなりに当たっていたような。
対パスではニッケル構成で、S29ミンカたんが出てくる、DLはラッシュ部隊、DE91ウェイクとDE94クイン。
対ランになると、S29ミンカたんの代わりにLB55ベイカーが出てくる。DLもランに強いDE75ヘイズに代わる。
まあ、本当に正直にまっすぐくるパワープレーじゃないと、横に全然動けない対ランユニットには止められないのですが。
ランだとしてもカウンターや外へのランでは、LB55ベイカーよりもS29ミンカたんの方が今の所は対応できてるかなあ。
これだけざっくりと大幅に変えているので、手練れのNEなんかには逆にさらりとオーディブルだされてやられちゃいそうだけど。
でも、ここから生まれる何かもある。はず。
とは言え、特に後半はディフェンスも結構グダグダになりました。
・手玉に取られる若手LBたち
これは後半に限ったことではありませんが、やはり52マクミランと55ベイカーはまだまだ勉強中。
プレーの読みが遅く、ブロックされてしまうことや、フェイクに騙されてしまうことが非常に多い。これは今シーズン通して徐々に上げていくしかないことかとは思うのですが、やはり早く成長していただきたい。
・ミドルのゾーンのパスプロがザル
去年から引き続き。もっと前からだったかな。
ともあれ、ミドルのゾーンの、特にLBの裏になるあたりのパスカバーがザルなまま。
今年はドラ1でミンカたんをとってTEをカバーさせようという狙いも見えて、ほんの少しは改善しているんだろうとは思うのですが、それでもやはりLBのゾーンの裏はザル。
・タックルできない病
後半、疲れてきたこともあるのかもしれませんが、急激にタックルできなくなりました。
俗にいう発症です。
なんなんでしょうねえ、あれ。
■勝ったけど
勝ったから良い。と言えるレベルのチームではないもんで。
オフェンス、ディフェンス共に軸になるところが心配っていうのがさらにアレですが。
■第2週は@NYJ
次週はさっそく同地区対決、しかも開幕戦からルーキーQB14ダーノルドを先発させて、見事に勝ったジェッツです。
これからチームを背負うとまで期待されているルーキーが2TDの活躍で勝ったんですから、チームも盛り上がってまとまっていることでしょう。
しかも、DLが強くてブリッツパッケージが豊富なイメージがあり、今週の試合ではOLが非常に安定していた。つまりMIAとは相性が悪いわけです。ブリッツがくると飲み込まれてたたずんだままサックされてしまうタネヒルと、ランプレーに弱くてずるずるとタックルできずにゲインされてしまうディフェンスで対応できるのか。
まあ逆に言えば、MIAのディフェンスがランをそこそこ止めて、数少ない武器であるDE91ウェイクさんとDE94クインが相手QB14ダーノルドにプレッシャーをかけ続ければ、抑え込める可能性はある。
オフェンスでも、相手のブリッツにかかわらずRB21ゴアさんとRB32ドレイクが2人でゴリゴリとゲインし続けられれば問題ない。
その2点に期待して、ダーノルドにプロの洗礼を浴びせていただきたいものです。
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