12.後半 [03.試合の流れ]
ハーフタイムで体勢を整え、後半を戦うわけだけれど、前半で勝っていたチームと負けていたチームでは、後半は作戦が違ってくる傾向がありまーす。
なぜでしょう?
後半は、おなかが、すくから
そんならハーフタイムに飯くえばいいじゃーん!
食えねーよ。
勝っている方のチームは、できるだけ危険なプレーはしないで、早く試合の残り時間を減らそうとするようになるんだ。だから、ターンオーバーの危険が比較的大きくて、失敗すると時計が止まっちゃうパス・プレーは減ることが多くなるわけだね。逆に、危険が少なくて確実に時間を消費できるラン・プレーは増える。
ディフェンスも、点差に余裕があればロスさせる必要もなくなるから、逆にロング・ゲインされることも多くなっちゃうブリッツとかは減って、じっくり守るようになる。
それに対して負けているチームは、早く点を取らなきゃ負けちゃう。だから、多少のリスクは覚悟してでも、ビッグ・プレーを狙わないといけなくなるよね。そのためにオフェンスではパスが増えるし、ディフェンスでもターンオーバーを狙うプレーが多くなる。
この傾向は残り時間が減っていくにつれて、または点差が開くにつれて、もっと極端になっていく。
相手に攻撃権が移ったら、オフェンスで時間を使われて試合が終わっちゃう、というところまで追い詰められたら、4thダウンでもプレーしなきゃいけなくなるよね。でもそれが失敗すると、また相手に有利なフィールド・ポジションを与えちゃう。ってことは、さらに点差が開く確率が大きくなる。
そういう悪循環に陥ってワンサイド・ゲームになっちゃうのを、泥沼とか虐殺とか言うんだね。
するってーとなにかい?
前半負けてたらもうだめなのかい?
そんなことないよ。アメフトは1回の攻撃で最大8点入るからね、5分くらいで16点差を追いつくのは、それほど珍しいことじゃない。
ただ、点差と残り時間っていうのは、常にプレー選択とか選手の動き方に影響してくるよっていうことね。
あとはチームの性格によっても後半の戦い方は違ってくるよね。
たとえば、ラン・オフェンスの苦手なチームは、リードしていても、ランだけでゲインするのが難しいからパスを投げないといけなくなる。でもそれで失敗すると時間を十分に使えない。それで相手に攻撃のチャンスをたくさん与えてしまう。だからリードしてもパスを投げて攻め続けないと勝てない、とかね。
じゃあランが得意だったら絶対勝てるんだねー!
でも、パス・プレーが苦手だと、ロングゲインが少ないよね。だから負けてる場面でも時間を点を取るのに時間がたくさん必要。
パス・プレーが得意なチームは、パスをたくさん投げて短い時間で得点できることも多いから、あんまり時間を使わずにすぐに追いつけるってこともあるよね。
じゃあランとパス両方強ければ勝てるんだねー!
そりゃまーそーだけどよー
すべてにおいて強いっていうチームをつくるのは無理って考えていいと思うんだ。だから、それぞれ得意なところを活かしながら試合しないとね、ってことだよね。
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