[05]04(1)8メン・フロント
あのさあ。さっきの、ラン・プレーのディフェンスは、ちょっとは、ゲインされてもいいって感じだよねえ? いきなり飛び込んでいくときは、どうするの?
そうだね。ディフェンスの基本的な動きだと、ランは3ヤードくらいゲインされちゃってもしょうがないねーって感じになるよね。最初からロスさせようとしてるときは、もっと思い切った動きになるよ。
じゃあ、思い切ったディフェンスを一つ。
まず前提として、オフェンス・ラインのギャップを数えていくと、RBが抜けようとするホールは8ヶ所あるってわかるね。オフェンスはこのどれかを攻めてくるってわけ。
それに対して、ディフェンスのフロントの選手(DLとLBの合計)は、基本は7人。だから、どこかのホールが手薄になるか、ディフェンスの選手の誰かが2つのホールを担当して負担が重くなるか、DBがラン・プレーに参加するか、そのどれかじゃないと8つは守れない。そんなわけで、常にLOS上で止めたりロスさせたりするのは無理で、2~3ヤードのゲインなら良いかなーって考えるんだね。
この図ではILBが2つのギャップを担当することになってるね。
これはさっき説明してた守り方だね。
でも、ゴール前まで攻め込まれちゃってるときとか、ファースト・ダウンまでほんの少しっていう状況で、オフェンスがラン・プレーをしてくるって予想されるときなんかは、フロントの人数を増やしてランを全くゲインさせないためのディフェンスをすることがあるんだ。
これは6-2ディフェンス。DLとLB(SSがLBの位置まで上がってくることもある)が合計で8人になるから、8メン・フロントっていう。1人が1つのホールを守ればいいんだね。
DLの内側の4人はDT的な役割で、自分の担当するホールを確実につぶす係だよ。最初からOLの正面じゃなくって、ギャップに配置されてることもある。プレーが始まると同時にギャップに飛び込むんだ。OLにブロックされた場合には、そのOLの足元に飛び込んで転ばせたりしてホールをつぶす。自分がタックルできなくても、それでランナーが通るホールをなくせれば良いってこと。
DLの両端の2人はDE的な役割で、外側からLOSを越えて入っていって、コンテイン・マンとしてランナーを自分よりも内側に閉じ込める。
その結果、行き場がなくなったランナーは、2人のLBが担当するホールに飛び込んでみるか、一度後ろに下がってでも大きく外側を回り込むしかなくなる。
すげー!ぜったい止まるね!毎回これやろう!
まあね、ラン・プレーに対しては止められる確率も高くなる。でも、その分パス・カバーを優先するDBが3人になっちゃうよね。だから、パスには弱いんだよ。特にプレーアクション・パスでLBが騙されると、TEがフリーになっちゃうことが多い。いちかばちかだね。
これだ!
力勝負こそが俺の美学ー!
美学だけじゃ勝てんのだよ。
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