[05]04(3)46ディフェンス
じゃ、一番極端な、ブリッツ入れまくりのディフェンスを見てみようか。
いいねー!
極端なの大好きー!
ブリッツを多用して、常にディフェンスからアクションを起こして、オフェンスの選択肢を狭めていくっていう考え方の極端なやつに、46ディフェンスっていうのがあるんだ。
1985年にシカゴ・ベアーズがチャンピオンになったときのディフェンスとして有名なんだけど、このディフェンスをつくったのがそのときディフェンス・コーディネーターだったバディ・ライアンって人。今のビルズのヘッドコーチのライアンと、セインツのディフェンス・コーディネーターのライアンの親父ね。そしてこの2人のライアンも46ディフェンスを継承してる。
きゃー!一子相伝!北斗神拳!
双子だし、一子じゃねえし。まだ二代目だし。別に他のやつがやってもいいし。
まあいいや。
典型的というか特徴的というか基本的な考え方というか、っていう例でーす。
まず、DL4人に加えて、LB・CB・SSの6人もLOSのごく近いところに配置される。多くのプレーで、DLの4人以外にブリッツを入れる。複数のブリッツも少なくない。さらにプレーごとにフォーメーションも変化させて、だれがブリッツに入ってくるのかオフェンスに予測させない。その辺が基本コンセプトかなあ。
まずブリッツに入る選手(青の線)は、自分の担当するホールに飛び込んで、そこをつぶす。するってぇと、オフェンスはそれに対応して動きを変えなきゃいけなくなるわけだよね。OLはブリッツを処理しなきゃいけないから、ブロックのバランスや方向が崩れるし、ランナーはブリッツが入ってこないあいているホールを探さなきゃいけなくなる。
ディフェンスとしては、行き場を失ったランナーが最後にブリッツが入ってきていないホールに走りこむか、外側に流れていくしかなくなるってのを狙うんだ。ブリッツには入らないでタックルするのが仕事って割り当てられたディフェンスの選手(グレーの線)は、どのホールがブリッツでつぶれるか知ってるから、ランナーがどこに来やすいのかもわかるんだね。だから狙いを定めやすいってわけ。
やばいねー! ちょー怖い!
テンションあがるわー!
ただし、ブリッツをたくさん使うんだから、当然ながらブリッツの弱点がそのままディフェンス全体の弱点にもなる。
パス・プレーに対しては、基本的にマン・ツー・マン・カバーになっちゃう。3人だけしかパス・カバー担当がいないなんてこともある。大変。そのかわり、たくさんのブリッツによって、QBに時間を与えないことで対処しようってなる。弱点は弱点として割り切って、さらに長所でカバーしようとするんだね。
ランプレーに対しても同じ。ディフェンスの選手がLOS上で横に広がって一斉にプレッシャーをかける傾向があるから、どこかの1人が完璧にブロックされても、それを助ける選手がいなくなっちゃうってことも多い。さらにセーフティーもブリッツに入ってたりすると、一気にロングゲインされちゃうんだ。
ハイリスク・ハイリターンって感じ!?
いいねー! テンションあがるー!
まあ能天気でよろしい。
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