[08]03 ハイリスク・ハイリターンのゲームプラン
でもやっぱりー!
ネコにはリスクを犯してでも勝負しなけりゃならないときもあるんでし!
お前の場合じっくり攻めるなんて飽きし疲れるからダメなんだろ。
うう。。。
なんでも良いから、てっとりばやく勝てる方法教えてけろ…
[08]03(1)オフェンス

たとえば、ボール・コントロール・オフェンスとは反対に、時間消費なんて気にしないで、パスをたくさん投げて、とにかくたくさん点を取るぞってプランがある。昔のラン&シュートとか、ノー・ハドル・オフェンスなんかがそうだね。最近ではハイパー・オフェンスとかって呼ばれることもある。
残り時間のコントロールとか、相手のフィールド・ポジションを常に悪くさせておくとか、そういうことはあんまり考えない。いつでもどこからでも、より大きなゲインを狙うって感じ。
パスが多くなるから、必然的にラインはラン・ブロックよりもパス・プロテクションが優先されたりする。そうなると、RBはラインのブロックの後ろをパワフルに走るタイプではなくって、カット・バックが得意で1人でディフェンスをかわしながら走れるタイプの選手が求められることが多い。そしてパス能力の高いQBと、複数の優秀なワイドレシーバーが必要。と、さっきのスタンダードなゲーム・プランのときとは、集める選手のタイプから違ってくるわけだね。


ただ、パス・プレーが中心になるってことは、どうしてもリスクの大きな試合展開になっちゃうんだね。タッチダウンの数も多いけど、そのぶんインターセプトの数も多くなる。自陣の深い位置からの攻撃だから確実なプレーでいこうなんてことは考えないから、インターセプトされてそのまま大ピンチってこともある。
それから、パス・プレーは失敗すると時計が止まるよね。だから、自分たちのオフェンスでパス失敗が続いて、全く時間を使えなくってすぐにパントを蹴るってなると、ぜんぜん試合時間が減らない。
などなど、このゲーム・プランは、テンポ良くオフェンスを進められれば短時間で大量に得点できるかわりに、いったん歯車が噛みあわなくなると非常にもろい面もある。何試合かなら負けても別に大丈夫なレギュラー・シーズン中は良いんだけど、負けると終わりのプレー・オフでは、このもろさが悪い方に出ることも少なくないんだね。そのためか、こういう性格のチームがスーパーボウルで勝つことって少ないってイメージがあるなあ。


人気も出るよー。


[08]03(2)ディフェンス


リスクを減らすために受け身になるリーディング・ディフェンスに対して、リスクを取って積極的に自分から攻めるのをプレッシャー・ディフェンスなんて言うよ。アメフトは野球と違って、ディフェンスの結果が直接オフェンスにつながるから、相手のオフェンスをロスさせるってのは、自分たちのオフェンスがゲインしたのと同じ効果があるよね。
ディフェンスでも相手オフェンスをロスさせたり、ターンオーバーを奪ったり、得点も狙っちゃったりもすることもある。それが多いのが、ハイリスク・ハイリターンなディフェンスだね。
プレッシャー・ディフェンスの一番の特徴は、名前の通りプレッシャーをかけるってこと。たくさんの選手がLOSを越えていって、オフェンスのやりたいプレーを壊しちゃうんだ。オフェンスの動きを見て対応するんじゃなくって、自分たちから先にしかけて、オフェンスの動きを制限しちゃうって考え方だね。
もう一つの特徴が、プレーごとにフォーメーションやアサイメントがいろいろ変化するってこと。ブリッツの種類を増やすために、どうしても変化が多くなるんだね。1プレーごとにフォーメーションを変化させて、ブリッツに入る選手も入る場所も変える。それによってオフェンスを混乱させて、アサイメントのミスを生み出して、ブロックをまったく受けない選手を作りだしたりするんだ。

ブリッツしまくるー!

ビッグ・プレーをたくさんされると、点はたくさん取られるけど、試合時間はあまり減らない。それは自分たちが追いつくための時間が残るってことでもあるけど、さらに点差を広げられちゃうってこともありうるよね。
これはハイ・リスクなオフェンスと同じ傾向だけど、上手く行けば一気に点差をひろげる・縮めることもできるんだけど、下手すると大敗するってこともある。そんなゲームプランなんだね。

ずっとハイリスクなプレーし続けると消耗しちゃいそうですわ。

ヘッドコーチの趣味によって、基本的なゲーム・プランは決まってくる。でも、いつも基本のままっていうわけでもない。
基本は慎重にいきながら、ときどきハイ・リターンを狙ったプレーを入れるとか、リードされるごとにだんだんとハイ・リスクなプレーを増やしていくとか、試合のシチュエーションや流れによっても変わっていくからね。
次のプレーの予想も、基本+状況、さらにその試合のそれまでのプレー展開なんかを思い出しながら、考えてみると面白いよ。

