[イルカ観察日記] 地区首位対決はタネヒルの一人負けの第5週MIA@CINでした。
<展開>
3Qが終わるまでは良い試合だったんです。勝つにしろ負けるにしろ。
4Qの某QBによる2つの面白プレーで試合が壊れちゃった。勝つにしろ負けるにしろ。
試合展開としては、
・1シリーズだけ良いドライブができてTD取れた。
・運よくパントリターンTD取れた。
・4Q最初、タンシルがアウト。
・タネヒルサックver.3.0→リターンTD
・タネヒルサックver.2.0→リターンTD
MIA 17-27 CIN
でした。
<オフェンス>
■タネヒルサックとは
オフェンスを振り返る前に、タネヒルサックとは何なのか復習しましょう。
「タネヒルサック」とは、タネヒルに特有のサックのされ方です。
パスラッシュがきているのに気づかず、ただそのままラッシュに飲み込まれるだけ、というもの。逃げる気がない、という以前にラッシュに気づいていない。
しかし、今年のプレシーズンから、タネヒルは進化したのです。
なんと、ラッシュに気づくようになりました。
しかし、その後なにもせずにただ飲み込まれてサックされるので結果は同じでした。
つまり進化版「タネヒルサック ver.2.0」とは、パスラッシュに気づいて目で確認した後で甘んじて受けるサックのことです。
そしてこの試合、ついにさらに進化した「タネヒルサック ver.3.0」が生まれました。
パスラッシュに気づいて投げ捨てようとしたのです。でも全く飛ばずDLにインターセプトされました。
結果としては退化ですが、姿勢としては進化しています。よね?
■タネヒル
で、この試合のタネヒル。
パス35回中20回成功
185ヤード獲得
1タッチダウンパス
2インターセプト
1ファンブルロスト
ということで、まあタネヒルの成績としては一般的な範囲内。
しかし、リターンタッチダウンを2つされたのがどうしようもないところでした。
ただし、その転換点は4Qに入ったところ、LT78タンシルが脳震盪の疑いでいなくなったことから。その前後で内容がまったく異なります。
(1Q~3Q)
パス全体 11/19
内訳は、
・レシーバーにディフェンスの頭越しに落とすパス:1/3
・走っているレシーバーに直線的に投げ込むパス:7/11
・左右に振り分けるだけのパス:3/5
相変わらずレシーバーが抜けてても落とすパスの精度が悪すぎるけど、それはまあ想定内。
(4Q残り15分~残り3分まで)
※タンシルがいなくなってから2つ目のリターンTDを取られて絶望感が漂うまでの間。
パス全体 4/6
内訳は、
・振り分けるだけのパス:3/4
・投げ込むパス:0/1
・チェックダウン:1/1
もうこの時点で作戦はできるだけタネヒルにパスさせないに変わっていました。
が。ものすごく慎重なプレーコールだったのに、
・タネヒルサックが1回、
・タネヒルサックver.2(至リターンTD)が1回、
・タネヒルサックver.3(至リターンTD)が1回。
なんということでしょう。
それほどパスプロが崩壊していたとも言えないこともないでしょうが、それにしたってひどい。
■タネヒルサック3.0
4Q、まだ7点勝ってる場面で出たのが新しい技タネヒルサックver.3.0
右にTE2人、左にWR2人、1バックを置いたフォーメーションでした。
プレーアクションして、バックはそのままパスプロ。TE2人もパスプロ。つまり8人でパスプロ。それなのにパスプロがボロボロ。なんじゃそれ。
ここまではタネヒルも可哀想と言えなくはない。
が、なんでパスプロしてるTEに投げるんだよ。
しかもヘルメットに命中させるんだよ。
で、ボールが弾んだところを捕られて、リターンTDされる。
なんて独創的なプレーなんでしょう。
■タネヒルサック2.0
そして今度は3点差を追いかける状況になったときに出たのが、こちらタネヒルサックver.2.0でした。
右にTEとWR、左にWRを2人、バックを1人置いたフォーメーション。
右側からブリッツが入ってきて、それをしっかり目視で確認、しかし少し動いただけで逃げることはなくたたずみます。
で、奥のレシーバーが抜けたのを確認。それからパスを投げようと振りかぶる。ラッシュが来てファンブル。リターンTDくらう、と。
ちゃんと逃げるか早く投げるかすればいいのに。
そもそも縦のロングパスをレシーバーが抜けたのを確認してから投げるから届かなくてインターセプトされるんだ。
つまりどちらにしろ光はなかったんだ。
■タネヒル以外
オフェンスは結局10点しか取れなかったので、良くはなかったんですが。
それでも、中のランがちょっとだけ出てました。OTやTEがプルして中に入ってくるブロックがわりと効果的に決まっていたんです。
それがやはりLT78タンシルがいなくなってからはボロボロ。
まあ、OL5人の開幕時スターターのうち3人もいなくなっちゃったら無理だよなあ。
<ディフェンス>
ディフェンスは13点しか取られてないので問題ない。
■DL
DEウェイクさんが怪我でお休みに加えて、DT97フィリップスが突然のカット。層が薄くて心配でしたが、大きく崩れたり押されたりすることは少なく、まずまず及第点でした。
ちょっとDEがQBにプレッシャーかけられていなかったけれど、まあ仕方ない。
■若いLBコンビ
先週NEにいじめられた52マクミランと55ベイカーの実質ルーキーコンビ。先週の問題は、
・フェイクやカウンターに引っ張られやすい
・正面からブロッカーが来ると外すのに時間がかかってキャリアまで行けない
の2点でした。
これを今週は、DBがサポートすることで無理矢理解決したという印象。
基本的にFS22マクドナルドかSS20レシャッドのどちらかがLBよりも前まで上がってセット、上がらなかった方のセーフティーのシングルハイという配置。で、ランプレーだったらセーフティーが穴をつぶしにいく。それによってLBが動きやすくなってキャリアに追いつける。
セーフティーが2人とも下がっていた場合には、LBはキャリアまで到達することにこだわらず、早めに穴をつぶしてしまう動きをしているように見えました。タックルはセーフティーに任せる形。
先週お休みだったSS20レシャッドが戻ってきたことで実現した守り方。タックルをセーフティーに任せることを最初から決めておくってちょっと危ないってのは当然なんですが、現状若いLBコンビよりも、年間200タックル決めるセーフティーコンビの方が頼れるので仕方ない。
■DB
上記の通り、SS20レシャッドとFS22マクドナルドは半分LBをやってたようなもんでした。
でもディープのパスカバーになった方も大きな失敗はなかった。
最大の脅威だった相手WRグリーンは、基本的にCB25ハワードがマーク。スロットにいた場合などは、ときどきS29ミンカたんがマーク。
どちらもぶち抜かれることはなく、どうにか抑えていたっていう印象で、近年のザルっぷりからしたら十分合格でした。
問題のもう1人のCBには、この試合はCB24マクテイラーが入りました。やはり1本ロングパスを決められてしまっていましたが、正直なところそれだけで済んで良かった。
■ゴールラインディフェンス
・若いLBコンビのプレーリードに不安がある
・そのためセーフティーが1人かなり前に上がる
・そのためもう1人のセーフティーは結構下がる
というわけで、LBの裏のゾーンへのパスに非常に弱い。
そこを攻められるとドライブはされてしまう。でも、ゴール前まで来られてからは、そのスペースが減るから勝負できる。という流れ。
この試合、レッドゾーンまで攻められたところでは、
INT、FGブロック、FG、TD、FG
しっかり止めたっていうほどじゃないけど、こんなもんでしょう。
ディフェンスはよくやってる。
<来週>
熊ーズ戦。
オフェンスは絶好調マックのパスラッシュをどう抑えるかというのが最大の問題でしょう。
つまり、タンシルが脳震盪プロコトルから戻れなかったら終了って可能性が高い。
ディフェンスは相手QBトゥルビッキの覚醒が維持されないことを願いつつ、LBとセーフティーみんなでゴリゴリ消耗戦を覚悟して、同時にタネヒルが勝手に失点しないことを祈る、という多面展開が必要になってきます。
願ったり祈ったり大変ですが、また来週。