[イルカ観察日記]ヴァンス・ジョセフという人
ドルフィンズのDCだったヴァンス・ジョセフが、どうやらブロンコスのHCになるようです。出世おめでとうございます。
しかし残された我々は。ということとともに、今年一年見た感想などを。
■経歴
90年代にドラフト外でジェッツに入って、翌年はコルツで、プレーしてたんですね。2インターセプトも記録。
コーチとして主なところでは、
・2005-2010 SF
Mike Nolan、Mike Singletary
2人のディフェンス出身HCのもとで修業。
・2011-2013 HOU
Gary Kubiak(HC)とWade Phillips(DC)
ここから今のDENコネクションができたのかな。オフェンスを読んでブリッツを入れようとする傾向があったので、フィリップスの下で学べたことも大きいのでしょう。
・2014-2015 CIN
Bill O’Brien(HC)とRomeo Crennel(DC)
そういえばフィリップスもクレネルもHC経験者ですね。そういうところからの経験も買われてるのでしょうか。
・2016 MIA
Adam Gase(HC)
ずっとDBコーチだったのが、ここでDCに。ゲイスは自らOCとしてのお仕事もしていたので、ディフェンスのことはほぼ丸投げだったと想像されます。
■プレーコーラーとして
初めてのDCとしてのシーズンでした。当然NFLで直接プレーコールを出すのは初めてだったかと思われます。
シーズン序盤はさほど動いている感じはなかったのですが、中盤から徐々にブリッツなどの仕掛けが増えていった印象です。
それも、OLBだけでなく、CBやMLBも積極的に使って、わりとバリーション豊富なブリッツ。そしてゾーンブリッツが大当たりしてのDLのインターセプトも2回か3回はあったかと。
まあ、フィリップスほど読みが当たりまくったということはまったくありませんが、プレーコールが2種類しかなかった前任者に比べると観ていて非常に楽しませてくれるプレーコールでした。
DENもフィリップスがいなくなるという噂ですし、OCもHC経験者だから任せられるでしょうし、自分でディフェンスのコールを出したりするんでしょうか。
■モチベーターとして
ご存知のように、ドルフィンズのディフェンスは、タックルできない病にかかっており、さらにパスカバーはザルです。
ランディフェンス30位、ヤード喪失29位。ひどいもんです。
しかし、失点は18位。レッドゾーンでのディフェンスが良かったんです。そして3rd.ダウンでのディフェンスも結構良かったんじゃなかったかなあ。
ということは、簡単に集中を切らしてはいないということなので、選手を盛り上げるのが上手なのかもしれません。これはHCとしては良いところでしょうね。
■チーム構築者として
ただちょっと不思議だったのが、シーズン前の選手の集め方。
ドルフィンズはシーズンが終わるまでに、FS、SS、OLB2人を怪我で失いました。また、スターターとして期待していたCBと、スターターDE、半スターターDEが不振から放置されていました。その穴埋めがままならず、最終的には崩壊したわけです。
で、DBとLBの控えがペラペラなのに頑なに補強しなかったのが、どうもジョセフ主導っぽい。
LBは期待の2年目3人組がいたので、その成長のためならと我慢できたけれど、特にDBはちょっと。「6フィート未満は人にあらず」と言わんばかりにサイズの無い子たちをカットして、先発も控えも実戦経験が乏しい子ばっかりになったのが、シーズンが始まってから困った原因でもありました。
その代わりに、またDEかよって言うくらいに集めまくったDE。しかし、結局ちゃんと機能してたのがウェイクだけという感じで、いまいち満足できませんでした。
でもまあ、DENは人事方面はエルウェイはじめしっかりしてそうなので、ここは問題にはならないのかなあ。
さて、そういったわけで、人柄は良さそうなヴァンスさんです。あとは、ディフェンスの職人としてフィリップスに追いつけるのか、OCとGMの助けを上手く使えるのか、っていうところで、良いコーチになれるかも。
いきなり来年AFC西と東の対戦もあることですし、今年果たせなかったブレーデー様の引退を勝ち取っていただきたいと思います。